ウォール街はFRBに同調、25年の米国債利回り低下を予測
一方、長期債については、20日時点で4.52%前後で推移していた10年債利回りが25年末には4.25%まで低下するとストラテジストらは予想。これは、現水準よりも25bp低い水準。
ストラテジストらは今後の財政政策の展開だけでなく、FRBの国債保有の管理についてもさまざまな見方を考慮している。量的引き締め(QT)を通じた中央銀行のバランスシート圧縮が終了すれば債券供給が減少し、需要が増加する可能性がある。
バークレイズのアンシュル・プラダン氏率いるチームはリポートで、「FOMCが利下げを続け短期金利を低下させる可能性が高い一方で、長期金利が高止まりする要因の多くは依然として残っている」と指摘。高い中立金利や金利変動の高まり、インフレリスクプレミアムなどに言及した。
さらに、向こう数週間で公表されるトランプ大統領の関税・税制の政策がウォール街の見通しを一変させる可能性もある。「関税の引き上げと移民規制の強化は、成長鈍化とインフレ高進の論拠となる」とプラダン氏は述べた。
現時点では、債券相場に最も強気な見方を示しているのはモルガン・スタンレーで、最も弱気派はドイツ銀行だ。モルガン・スタンレーは「成長の下振れリスク」と投資家にとって「想定外の強気相場」を予想。他行より速いペースの米利下げを見込む同行は、10年債利回りが来年12月に3.55%に低下すると見ている。
一方、ドイツ銀は25年に米利下げはないと予測。マシュー・ラスキン氏率いるチームは、力強い成長や根強いインフレなどを背景に、10年債利回りが4.65%に上昇すると見ている。
原題:Wall Street Sides With Fed and Sees Lower US Bond Yields in 2025(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Carter Johnson