「頭の回転の速い子」が数学で得たスゴい思考の型 算数・数学の「頭の使い方」は日常生活に使える
では、次に3cm×3cmの正方形を作るためには? これも、同じことですね。4タイルに加えて、右下に逆L字に並べるタイルが5つ必要です。これで4+5=9タイルの正方形ができます。 もう気づいた人もいるかもしれないのですが、この「正方形作り」と「1+3+5+7+……」の計算は、一緒です。この正方形の面積が、この奇数の足し算の合計と同じ数になるのです。 だから、3番目までの奇数の合計は3×3の正方形の面積と同じで9に、4番目までの奇数の合計は4×4の正方形の面積と同じで16に、50番目までの奇数の合計は50×50で2500になるのです。
この性質、面白いですよね。2×2、4×4、11×11のような同じ数同士の掛け算の結果のことを「平方数」というのですが、どんな平方数も、実は奇数の足し算でできているのです。 5×5=1+3+5+7+9 7×7=1+3+5+7+9+11+13 ■「置き換え」は数学の常套テクニック 数学の勉強をしていくと、このような「置き換え」がたくさん登場します。 数学において、「何か難しいもの・ややこしいものを『定義』する」ことはかなり多く、思考を前に進めていくために活用されるものです。
いちばん有名なのは、円周率ですね。「3.141592…」と無限に続いていくものを「π(パイ)」と定義し、置き換えて進めていくことで、計算を速くしたり、簡略化することができますよね。円周率=πと定義しているからこそ、本当は「3×3.141592…」という計算を「3π」とすることができます。 置き換えることで計算を簡単にするというテクニックは、結構多くの場面で使えます。 例えば、こんな問題を考えてみましょう。
鉛筆3本と消しゴム1個で225円で、鉛筆5本と消しゴム2個で400円でした。さて、鉛筆1本の値段は? この問題は、鉛筆の値段をX、消しゴムの値段をYと置いて考えると、こんな式になりますね。 3X+Y=225円 5X+2Y=400円 その上で、上の式を2倍すると「6X+2Y=450円」となります。 6X+2Y=450円 5X+2Y=400円 上の式から下の式を引くと、X=50円になり、Y=75円になります。これは中学1年生で習う「方程式」と呼ばれるものですね。