免疫力強化&風邪予防に効く「簡単薬膳カレー」【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑨】
コロナ禍を経験し、日頃からの免疫力の大切さを再認識した昨今。免疫力を強化するために、どんな食材をとったらいいのだろうか? いつもの食材で作る薬膳効果抜群で応用できるおすすめの方法を、薬膳料理研究家の谷口ももよさんに提案してもらった。
にんにくとしょうがの最強タッグで免疫力を強化
風邪やインフルエンザをはじめ、さまざまな疾患予防に、日頃から免疫力を強化しておくことが大切。それには日々の食事の役割が大きいはず。そんなときに手軽で便利な料理としておすすめなのが薬膳カレーだ。 薬膳カレーと聞くと、山ほどのスパイスが必要なのでは? と思ってしまうが、実は、いつもの食材で十分においしくできるそう。今回は市販のカレールウを使わずに超簡単にできる薬膳カレーの紹介だ。 ただし、組み合わせは大切。せっかく体を温めるための薬膳カレーに、体を冷やす食材、例えばトマト、なす、ごぼうなどを組み合わせてはいけない。 「東洋医学では、風邪は『風邪(ふうじゃ)』という邪気(じゃき)が体に入った現象と考えられています。疲れやストレスなどで、体の抵抗力が弱くなっているとかかりやすくなります。 風邪かな? と思ったときには、体を温めて発汗を促し、寒さや邪気を取り除くことが大切になります。また、日頃から体を温めて免疫力を上げておくことが重要です。 それには、『気(き)』と『血(けつ)』の巡りをよくする、にんにくやしょうがをたっぷり使ったカレーがおすすめです。 具には、疲労を回復する鶏肉と抗ウイルス作用やデトックス作用が期待できるねぎ類、それに免疫力強化ができるきのこ類を! しょうゆと味噌の発酵パワーもプラスして、少し和風に仕上げます」(谷口ももよさん) カレーにしなくても、鶏肉やきのこをにんにくとしょうがで炒め、カレーパウダーやしょうゆ、味噌で味つけしたものでもOK。この組み合わせを知っておけば、さまざまな料理に応用できる。
【薬膳ポイント】 ●にんにく 中央アジア原産で、日本には中国を経て8世紀頃に伝わったと考えられている。強壮作用に優れることで昔は薬として用いられていた。血行を促し体を温めるので、冷え症の改善や免疫力の強化、動脈硬化や血栓の予防に役立つ。また、気分の落ち込みや緊張をやわらげる効果も。 ●しょうが 体を温め、血流や発汗を促し、「邪気」を取り除く。このため風邪の予防や咳を止める働きが。抗炎症効果が高いので、胃腸を整え、吐き気などをやわらげる効果も。そのスパイシーな香りは気持ちを明るくしてくれる。