無人ギョーザ「閉店ラッシュ」が止まらない…!それでも“オワコン化”とは言い切れない理由
高級食パンと同じ道を辿るのか?
さらに〈餃子そのものの消費者人気〉も急拡大を支えた一因だ、 「巣ごもり下、一度に何十個も『まとめ買い』できる要素は消費者にとって大きかったと考えられます。調理が簡単な日常食で、価格設定も1個20円~とリーズナブル。また、他の冷凍食品にはない、家族や友人といった大人数でワイワイと食べられる特徴が、消費者に広く受け容れられたのでしょう」(飯島氏) だが、その結果、ギョーザの無人販売店は予想以上に“増えすぎて”しまった。アフターコロナを迎えた今、出店すれば儲かる、という状況は失われた。無人販売という「目新しさ」にしても、スイーツや野菜、肉など、日々新しい無人販売店にお株を奪われてしまった形だ。 思い返せば、'19年頃に起こった「高級食パン」ブームも、一時は全国に専門店がひっきりなしにオープンし、連日行列ができる繁盛店もあったが、わずか数年の間に“オワコン”化。大部分が閉店を余儀なくされてしまった。 このままギョーザの無人販売店は、高級食パンと同じ道を辿るのか――。そう思いきや、飯島氏の考えは少し違うようだ。 「閉店が相次ぐ今の状況は、おそらく『儲かる店舗』と『儲からない店舗』を仕分けているフェーズを示しているのだと思います。冷凍食品の需要は高いままですし、高級食パンやタピオカ、白いたい焼きといった一過性のブーム食と違い、餃子はあくまで“日常食”。普段食べるモノである以上、そこまでニーズが急落するとは思えません。 ただ、これから5年、10年後、ギョーザに取って代わるような冷凍の“日常食”が生まれる可能性は否定できない。その時こそ、生き残りの分かれ目となるでしょう」 ギョーザの無人販売店の真価が問われるのは、ブームが一服したこれからだ。 ・・・・・ 【さらに読む】『イギリスで日本の「カツカレー」が“国民食”になっている驚きの理由』
マネー現代編集部