阪神の元祖・二刀流助っ人、トレイ・ムーアが振り返る 「2003年の優勝」と「闘将・星野仙一」
セ・リーグの優勝争いが熱い。首位を走っていた広島が9月に入って急失速。16日現在、ペナントレースを抜け出した感のある巨人を、広島を抜き去り42日ぶりに2位に立った阪神が2ゲーム差で猛追している。さらに4位のDeNAも3位・広島に1ゲーム差に迫っている。優勝争いはもちろん、クライマックス・シリーズ(CS)争いも激化している。 【写真】阪神タイガース「TigersGirls」2024年全メンバー(17人)甲子園球場で撮り下ろし! 【2003年の阪神優勝に貢献】 そのなかで注目を集めているのが、球団初の連覇に挑むのが阪神だ。巨人と並ぶ名門球団でありながら、その歴史を紐解くと優勝回数は驚くほど少ない。 昨年リーグ優勝を果たした阪神だが、その前は2005年。ただこの頃の阪神は、球団史のなかでも短期間の間に2度の優勝を果たしており、2003年にもリーグ制覇を達成している。1990年代の「暗黒時代」のあとの、ほんのつかの間の「黄金時代」と言ってもいいだろう。 その2003年と言えば、闘将・星野仙一氏のもと「Never Never Never Surrender」(通称:ネバサレ)のスローガンで、1985年以来18年ぶりのリーグ優勝を飾り、日本中を熱狂に巻き込んだ年である。 そして今回、その優勝の立役者のひとりである助っ人が、日本プロ野球外国人OB選手会の企画により、現役引退以来、じつに20年ぶりに来日した。 その助っ人とは、ツルツルの坊主頭と髭がトレードマークだったトレイ・ムーア氏だ。2002年にアトランタ・ブレーブスから阪神に移籍。先発の柱として、2年連続で2ケタ勝利を挙げた左腕だ。 現在51歳のムーア氏は、現在、学校の教師を務める夫人、両親とともに故郷・テキサスの田舎町に住んでいる。マイナーリーグのチームもない、まさに田舎で、現役時代の稼ぎで手に入れた牧場で馬と鶏を飼っている。 「引退してからは、中学校や高校でコーチをしているんだ。野球だけじゃなく、アメフトも教えているよ。野球はピッチング、バッティング、走塁とすべて教えているよ」 夫人とはコーチングをしている学校で知り合った、いわば「職場結婚」だ。