最強寒波 慣れない市街地では数センチの降雪でも影響大 慣れた地域も立ち往生に備えを【気象予報士解説】
今シーズン最強の寒波が到来しています。日本海側を中心に大雪に警戒が必要です。 片平敦気象予報士は、近畿地方では9日夜から10日にかけて今回の寒波のピークとなり、寒さと雪が強まるので警戒するよう呼びかけました。 ■【動画で見る】慣れない市街地では数センチの降雪でも大きな影響 慣れた地域も車の立ち往生の恐れ
■寒気の予想
【片平敦気象予報士】 上空の寒気の予想です。9日もずいぶん寒いんですが、明日10日にかけて、冬に入ってくるような冷たい空気が、近畿地方をすっぽり覆う形になってきます。 寒気が流れ込むということは、雪も強まりますし、特に明日10日朝は今シーズン一番の冷え込みになりそうです。兵庫県三田市は10日朝にかけてマイナス7~8度ぐらいの非常に強い寒さになりますので、気を付けてください。
■雪と風の予想
【片平敦気象予報士】 雪の降り方も心配です。雪の予想と風の予想を重ねてみます。注目してもらいたいのが日本海で、西風と北風がぶつかっています。こういう風のぶつかっている場所を『JPCZ(発達した雪雲の帯が形成)』といって、このような場所は特に雪雲が発達します。『線状降雪帯』という言い方をされる先生もいるような現象なんです。 9日夜の時点では、まだ北陸の方を目指している形ですが、これが10日にかけて近畿地方に南下してくる可能性があります。9日夜のうちから、近畿北部はもちろん雪が降りますが、奈良や和歌山北部といった近畿の中部・南部でも雪の降る所が出てきそうです。
■予想される雪の量
【片平敦気象予報士】 予想される雪の量、10日夕方までに新たに、近畿北部の山地では多い所で60センチ降る恐れがあります。 もう一つポイントは、中部の平地も多い所で10センチ、南部の平地も多い所で1センチとなっています。 数字だけ見ると大したことないと思うかもしれませんが、普段雪が降らない所ですから、このような場所で雪が降って積もってしまうと影響が大きく出てしまう恐れがあります。
■スノーブーツを履いて「ペンギン歩き」
普段雪に慣れていない、中南部の平地などで気を付けていただきたいことをまとめます。 【片平敦気象予報士】 市街地や平地などで気をつけていただきたいこととして、 ・電車やバスなど交通機関の乱れ 10日朝は時間に余裕を持った行動を ・歩行者の転倒事故 ・自動車のスリップ事故 普段雪に慣れていないですから、歩行者は転倒にご注意いただき、車は橋の上などが危険ですからスリップ事故などにくれぐれも気を付けてください。 街中を歩かれる方、雪がもし積もったり凍っていれば、できれば足元はスノーブーツを履いてほしいです。革靴は底がつるつるしていて危なく、ちょっと足元の見栄えが悪いという方もいるかもしれませんが、靴底に溝があるスニーカーとかで雪にしっかり食い込めるようにしていただきたいと思います。 おすすめの服装としては、手には手袋ですぐ手をつけるように。リュックで両手を自由にして、万が一に背中で転んだときにクッションの役割にもなります。あとニット帽は寒さ対策もありますが、何も被っていない時よりも転んだ時に頭を保護する役割もあります。こういったものも考えてほしいと思います。 歩き方のポイントは、『ペンギン歩き』と覚えてください。歩く時にかかとから行くと滑ってしまうので、ペンギンのように両足を面で踏みしめるような形で、歩幅を短く、重心を落として歩く。手も両手を出しておいて、何かあった時に手をつけるようにしていただくこともポイントです。
■雪に慣れた地域でも車の立ち往生に注意
雪に慣れている地域でも警戒が必要です。 【片平敦気象予報士】 例えば車の立ち往生。毎年のように1台の車が止まって、その後の車も動けなくなるということがあります。 電線に雪がついて切れてしまい停電の可能性もありますので、モバイルバッテリーなども用意しておいていただきたいです。 2021年の年末、滋賀県内では雪で立ち往生になる事例がありました。 今回の雪に関して、国土交通省と気象庁が8日に緊急発表をしています。去年の1月にも緊急発表した直後に関ヶ原のあたりで立往生がありました。それぐらいの危機感が必要だと思ってください。 (関西テレビ「newsランナー」 2025年1月9日放送)
関西テレビ