TikTokは利用開始から「35分で中毒になる」、米裁判書類で指摘
TikTokの親会社のバイトダンスを相手取る訴訟で、同社の幹部がこのアプリが子どもたちを性的搾取の危険にさらす可能性を認識していながらも、子どもたちの利用を積極的に促進していたことを示す30ページにおよぶ文書が発見された。この件を独占的に報じた公共ラジオのNPRは、以前にフォーブスが報じた内容が事実であることを確認した。 ケンタッキー公共ラジオが入手したこの文書には、TikTok内部の調査結果や、同社の幹部らが危機対応やアプリの改善方法について議論した記録が含まれていた。この文書は、米国時間10月8日にケンタッキー州の司法長官がTikTokを提訴した際の裁判書類に含まれていた。米国ではこの日、14州と地域の司法長官らがTikTokとバイトダンスを訴えていた。 フォーブスは2022年の記事で、TikTokのライブ配信中に未成年の少女たちに「児童ポルノに該当しかねないきわどい行為」をするよう促し、その見返りに報酬を与える成人の視聴者が多数存在すると報じていた。今回発見された文書には、バイトダンスがこの報道を受けて実施した内部調査で、多数の成人が未成年に対して脱衣を要求するメッセージを送っていたことが記載されていた。また、ユーザーが未成年の子どもに対して送った「ギフト」が1カ月で100万件に達していたことが記されていた。 この調査結果を知ったあるTikTokの幹部は、「ライブビジネスの大きな課題は、最も高いエンゲージメントを得るコンテンツが、必ずしも我々が望むものではないことだ」と語ったとNPRは報じている。 また、別の文書には、TikTokの幹部がアプリの中毒性を認識していたことが示されている。同社の内部の研究は、このアプリが1時間以内にユーザーを依存状態にすることを示唆しており、強迫的な使用が睡眠や対人関係を妨げるというネガティブなメンタルヘルスへの影響が確認されていた。 ケンタッキー州の当局の調査官は、この文書の中で、TikTokのプラットフォームの高度にパーソナライズされたアルゴリズムは非常に効果的で、平均的なユーザーが35分以内に中毒状態になる可能性が高いと述べていた。