【モントレー・カーウィーク】 チケット3000名は即完売! クエイルはポスト・モーターショー
モーターショーの代わりとなる受け皿
これはまさにモーターショーそのものだ。 インドアの国際モーターショーが方向転換を迫られ、少量生産モデルの祭典としてのジュネーブ・ショーも開催に漕ぎ着けることができない今、まさにこのクエイルがその受け皿になっている。 それにこれらラグジュアリーブランドに強い関心のある顧客が会場には溢れている。決して安くないエントリーフィーにも関わらず、3000名前後のみとなるチケットも即完売だ。クエイルのビジターは、相当に気合いが入ったエンスージアストの方々なのである。 もうひとつ加えるなら、近年クエイルのトレンドはレストモッドである。ルーフがレストモッドであるかはともかく、彼らはフラット6ターボAWDの「オフロード911ルーフ・ロデオ」というとんでもなく凝ったニューモデルを今回アンベールしたし、ガンサーワークスも大きなスタンドを構える。 もちろんシンガーもトップのディキンソン氏が登場し、英国の新ファクトリーで生産されるDLSターボのアピールにも余念がない。トゥーリング・スーペルレジェーラも少々方向性を変えたのか、フェラーリ550マラネロ・ベースとしっかり謳った「ヴェローチェ12」と称すモデルを発表している。この方向性も興味深い。 もちろんクラシックのカテゴリーにも、911(930)ターボ50周年、カスタムコーチワーク、スーパーカーの進化などという魅力的なコンテンツが揃っている。コンクールデレガンスは1937年ドライエ・タイプ145 V12コンペティションが獲得した。 問題は、このあまりに濃縮されたコンテンツを午前9時から午後4時の開場時間で見切れるかということだろう。会場ではイタリアン、メキシカンなどペニンシュラご自慢の料理やカクテルが無料で食べ放題、飲み放題だから、そんな所に食指を延ばしていたら、ますます時間がなくなってしまうのである。
越湖信一(執筆/撮影) 平井大介(編集)