【モントレー・カーウィーク】 チケット3000名は即完売! クエイルはポスト・モーターショー
こんなカーイベントが他にあるだろうか?
「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」(以下クエイル)は2009年にスタートしたが、世界最大のスポーツカーの祭典である「モントレー・カーウィーク」において、もはやなくてはならない重要なイベントとなった。 【写真】モントレー・カーウィーク2024の様子を覗いてみる (14枚) このイベントの中身を一言で表現することは難しい。近年、様々なコンテンツが加わり、そのスケールも年々拡大しているからだ。 たとえば、普通ならばイベントの締めは派手な花火かもしれない。しかしここクエイルでは、5機編隊で飛行するエアロL-39アルバトロス戦闘機のスペクタクルショーがここクエイル上空を占拠する。こんなカーイベントがいったい他にあるだろうか? そもそも、このクエイルロッジ・ゴルフコースはコンコルソ・イタリアーノの会場として長く知られていた。旧知のオーガナイザーであるフランク・マンダラーノはMIEという世界最大のマセラティのオーナーズクラブを束ねていた。 その彼がランボルギーニやアルファロメオ、アバルトといったイタリアンブランドのクラブに声をかけ、イタリア車のお祭りをやってみようというアイデアからスタートした。 ところがいろいろあって、クエイルロッジのオーナーであるペニンシュラのカドゥーリー氏が自ら理想のカーイベントを開催しようと乗り出したことから、クエイルのカーイベントは始まった。
メジャーブランドのニューモデル発表の場に
ほんの数年前まではコマーシャル活動は、独立系の少量生産メーカー、たとえばパガーニやルーフ、日本からもケン・オクヤマ・カーズなどがメインで、グリーンの上にシンプルなスタンドを設け、プレゼンテーションをするに留まっていた、テーマに併せたクラシックカーの集会やコンクールデレガンスがイベントの中心であった。 ところが、2024年のクエイルを見てみるならば、前述のように航空ショーまでが行われ、幾つものメジャーブランドのニューモデル発表の場となっているのだ。 例えば、マセラティはGT2ストラダーレをアンベールした。ロードカーであるMC20とFIA GT2カテゴリーに参戦中のレースマシンGT2の中間に位置するという性格付けのモデルで、先代グラントゥーリズモMCストラダーレの進化版とも言える、マセラティらしいユニークなモデルだ。 GT2譲りの空力特性向上とクーリング性能の向上を活かし、アグレッシブなアピアランスに仕上がった。新意匠のフロントバンパー、大型の可変アングルウイングなどに加えてネットゥーノエンジンもパワーアップしている。 ランボルギーニからはウラカン後継のテメラリオがデビューを飾った。ツインターボV8と3基の電気モーターを加えたPHEVの「HPEV」(紛らわしいがランボルギーニはこう呼ぶ) パワートレインは最高出力800馬力を誇り、レブリミットは1万rpmというからまさにレーシングエンジンである。 スタイリングフラッグシップであるレヴエルトのモチーフを活かしつつも、より軽快なイメージでまとまっている。外寸をコンパクトに収めつつも、キャビンスペースはウラカン比でもかなり拡大しており、スーパースポーツ系の主力モデルとしての真摯な作り込みを感じさせる。このクリーンな造形は筆者として中々好みである。 ブガッティ・トゥールビヨンはその新しいPHEVコンポーネントを惜しげもなくディスプレイしているし、その横には恐ろしいパワーを持ったリマック・ネヴェーラRが。そしてアウトモビリ・ピニンファリーナは、ワンオフモデルのバッティスタ・タルガメリカを……。