【医師が伝授】ポイントは油!認知症リスクが最大23%下がった食事法に驚き
肉より魚がいいのは「脂肪酸」に秘密がある!
では、なぜ地中海食では肉より魚がおすすめされているのでしょうか?その理由は、魚に豊富な「オメガ3」と呼ばれる不飽和脂肪酸(DHA・EPA)。 オメガ3脂肪酸を日常的に摂取していると、脳の記憶力・学習能力の向上に役立つといわれており、65歳以上の日本人、約1万3000人を対象とした東北大学の研究ームの調査でも、魚を食べる量が最も少ないグループにくらべて、魚を食べる量が最も多いグループは、認知症リスクが16%も低下したことが報告されています。 魚のなかでもマグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマといった背の青い魚にオメガ3は多く含まれています。手軽にサバ缶やイワシ缶などを活用してもいいですね。また、わかめ、昆布、ひじきといった海藻類にもオメガ3は豊富ですし、人気のエゴマ油やアマニ油も、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)の有効な補給源となります。
なお、肉については、油脂の分類では「飽和脂肪酸」に分類され、魚のオメガ3よりヘルシー度は劣ります。しかし、肉はたんぱく源として非常にすぐれているのも事実。長寿の人は、年をとっても肉をよく食べている人が多いともいわれていますから、しゃぶしゃぶのように脂を抜いて食べる調理法なら、肉も“善玉食品”に変身します。地中海食でも、脂の少ない赤身の肉は月数回ならOKとされています。
最強の組み合わせはオメガ3とオリーブオイル!
オリーブオイルは、不飽和脂肪酸の「オメガ9」に分類されるオレイン酸が豊富で、オメガ3同様、認知症に対する効果が報告されています。
アメリカの研究チームによる動物実験では、オリーブオイルの豊富なエサを与えたマウス(アルツハイマー病の遺伝子を組み込んだマウス)は認知機能が高いことや、アルツハイマー型認知症の原因になるといわれるアミロイドβの蓄積が少ないことも確認されました。 なお、同研究で使われたオリーブオイルは、オリーブの実を搾ってろ過しただけの高品質なエキストラバージンオリーブオイルです。 先に紹介したオメガ3のエゴマ油やアマニ油は、酸化しやすいことから加熱調理に使えないため、日常の食生活にはこれらのオメガ3の食用油とオリーブオイルを上手に組み合わせて使用すると、最強の認知症対策となります。 本文は『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム)より一部抜粋・編集しています。 画像提供:Adobe Stock