登校しなくても欠席にならない「ラーケーション」とは?学習×休暇が生み出す可能性と課題
ラーケーションのメリットは、「家族時間」の増加&学校ではできない学びの充実
ラーケーションを取り入れるメリットは、大きく3つあります。 【1.ラーケーションが広まることで、働く保護者が平日に休暇を取りやすくなる】 家族との充実した時間を増やすことで、保護者自身がよりよいワークライフバランスを保つきっかけになります。また、子どもの学びの場に保護者が居合わせることで、家庭の教育力を高めることにもつながります。 【2.学校外ならではの体験を通じた学習効果と、コミュニケーションの機会】 子どもにとっては、学校外ならではの体験ができたり、自分の興味・関心に応じて、授業の内容を広げたり深めたりできます。ラーケーションで学んだことを学校の授業に生かすことで、探究的な学びにつながることも考えられます。学習面以外でも、家族とのコミュニケーションが深まり、充実した時間が増えるメリットも大きいでしょう。特に保護者が土日に休みを取りにくい家庭の子どもの場合はなおさらです。 【3. 地域における経済効果】 ラーケーションで家族が地域の名所や商店街などを訪れることにより、その地域の経済効果が高まります。また、混雑する土日祝日以外で宿泊や飲食サービスなどを利用する人が増えれば、その業種の労働生産性も高まるなど、人が「休みを取る」ことは地域活性化につながります。 このように、ラーケーションは大人にも子どもにも、地域にもメリットがある取り組みといえます。
ラーケーションの課題
一方で、課題もあります。新しい取り組みのため、社会も、家庭も、ラーケーションに対する理解が十分でないことです。 ラーケーションを取り入れている地域であっても、たとえばある会社で社員がラーケーションを理由に休暇を取ろうとしても、なかなか理解が得られにくいシーンもあるでしょう。保護者も、ラーケーションの日に何をするのがよいのか戸惑うケースもあります。 また、学校側でも、新たな負担が増えることへの対応が必要です。たとえば、ラーケーションで休んだ子どもにはその日の給食費を返金する作業が発生することがあります。 これらの問題が起きないようにするために、ラーケーションの導入にあたっては自治体が地域全体に周知して理解を得るだけの十分な準備と時間を確保することが大切です。