なぜ他人の不幸を喜ぶのか…?「妬まれやすい人」が知っておきたい心理学テクニック 苦手な人の対処法も
自分には直接関係がないことでも、他人の失敗に「ざまあみろ」と感じたことはないだろうか。 また逆に、他人から自身の成功を妬まれ、嫌な思いをしたこともあるかもしれない。容姿や学力に優れていたり、経済的に恵まれていたりするような「妬まれやすい人」ならば、苦労も多いことだろう。 なぜ我々は、他人の不幸を喜んだり、他人の成功を妬んだりしてしまうのだろうか。その理由が、心理学者・内藤誼人さんの著書『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)で解説されている。 他人の不幸を喜ぶ「ある現象」を逆手に取れば、妬まれやすい人でもうまく世を渡ることができるという。また、人間社会で生活する以上、避けることができない「苦手な人」への対処法についても、社会心理学から得られるヒントがあるそうだ。一体どんな方法なのか、みていこう(以下、引用は同書より)。 ***
「他人の不幸は蜜の味」である理由
芸能人や有名人が、何か問題を起こして謝罪会見を開くことがあります。そういうのを見ると、なんだかうれしい気持ちになりませんか。 タレントや、大金持ちなど、それまでずっと調子に乗っている人が問題を起こし、記者たちから厳しい質問攻めを受けているのを見ると、「ククッ、いい気味だ……」と思わずニヤニヤしてしまうのではないかと思われます。 これを心理学では、「シャーデンフロイデ現象」と呼んでいます。 「シャーデンフロイデ」というのは、他の人が苦しんだり、不幸な思いをしたりしているときに感じる喜びやうれしさをあらわすドイツ語。日本語には、「他人の不幸は蜜の味」という表現がありますが、それがまさに「シャーデンフロイデ現象」です。 イタリアにあるミラノ・ビコッカ大学のマルコ・ブランビラは、68名の大学生に、就職活動中で、自分と同じポジションを争っている同じ大学生が、交通事故を起こして面接を受けられなかったら、どう感じますかと聞いてみました。 すると、「とてもうれしい」という答えがたくさん見られました。私たちはライバルが悲惨な目に遭うと、うれしく思うのです。 人間には、そういうちょっと陰湿なところがあるのです。 他人の不幸をあからさまに笑ってはいけませんが、心の中で喝采を叫ぶくらいなら許されるのではないでしょうか。