阪神・近本 守備率10割で新庄に並ぶ5年連続GG賞狙う 今季の4失策糧に「していいエラーはない」
守備のベストナインに贈られる「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が28日、東京都内で開かれ、記者投票で選ばれたセ、パ18選手にグラブ型のトロフィーと賞金50万円が贈呈された。阪神・近本光司外野手(30)は本紙評論家・赤星憲広氏(48)に並ぶ4年連続4度目の受賞。来季は連続受賞継続に加え、2年ぶりの守備率10割を狙う。 黄金のグラブを胸に抱き、近本は誇らしげに壇上に立った。4年連続4度目の勲章。常連のオーラを漂わせ、まぶしいスポットライトを一身に浴びた。 「今年も素晴らしい賞を受賞できて、本当にうれしい。(赤星氏は)ずっと憧れている選手。並ぶことができて光栄に思います」 141試合に出場し、失策4で守備率・987。昨年の同10割には及ばなくとも、堅守と正確な送球で幾多のピンチを救った。本拠地・甲子園は風や雨、日光など「自然」も時には敵となる中、左翼・前川や井上、右翼・森下らとの“共同作業”で若虎の成長に一役買った。特に2年目・森下との関係性は一層深化。プレースタイルを理解することで、守備の幅が広がった。 「右中間(の打球)は、アイツが捕りに来るときはできる限り任せた。その分(前川らの)左中間をカバーしようと。それは森下とコミュニケーションを取って分かったこと」 森下とは試合前から密に会話し、敗戦に直結する守備のミスを未然に防いだ。日進月歩の猛虎外野陣。常に完璧を目指す近本だからこそ、自身の「4失策」を大きな糧とする。 「誰もエラーは求めていないし、しないほうがいい。ハナから1、2個するのは仕方ないと思うのは…(違う)。“結果的にする”ことは仕方ないが、していいエラーはない」 日本一に輝いた昨季は無失策で戴冠した。名手のプライドを原動力に、来季は「守備率10割」の再現を期す。5年連続なら新庄剛志に並ぶ球団最長。虎の“守役”は25年も近本だ。 (八木 勇磨) ○…阪神で4年連続ゴールデングラブ賞は、平田勝男(84~87年=遊撃)、新庄剛志(96~00年=外野)、赤星憲広(03~06年=外野)に次いで4人目。近本が来年も受賞すれば、5年連続は前記新庄と並んで球団最長となる。