35歳以上の社員の「7割」が「静かな退職」を選択していると聞きました。「昇進チャンス」を逃してしまうのに、なぜそのような行動を取るのでしょうか…?
昇進チャンスを逃してまで静かな退職を選ぶ理由
静かな退職を選ぶ理由として、日本企業独特の風潮が考えられます。 ここでは、昇進のチャンスを逃してまで静かな退職を実行する理由について、考えてみましょう。 ■日本企業独特の昇進・昇給チャンス 日本企業では、以下のような昇進・昇格チャンスがあります。 ●年功序列制度 ●業務の遂行能力を評価する職能資格制度 ●年に一度の定期昇給 どの昇進や昇格も受動的であることが、海外の企業との大きな違いです。 先進国では「ジョブ型雇用」が一般的で、退職によって空いたポストには実務経験者を雇用します。公募が行われ、キャリアアップを目指す社員自身が手を挙げることで昇格チャンスを掴み取ります。 一方、日本では上司の推薦や人事評価などによる会社の打診が昇進・昇格のチャンスとなります。つまり、日本企業には、管理職昇進を待つ社員の列に並んだうえで、ところてんのように押し出されて昇進するときを待つ風潮があるということです。 ■昇進割合の実態とは? 株式会社パーソル総合研究所では、2022年に「管理職の異動配置に関する実態調査」を実施しました。 調査によると、課長への登用は標準で40歳、若ければ30代半ばが相場となっているようです。驚くべき点は、2割の企業で課長という役職の旬や定年までの年数などを背景として、課長昇進には登用年齢上限を設けていることです。 企業によって昇進率はさまざまですが、勤める企業によっては昇進チャンスを手にできない人も少なくないでしょう。そのため、昇給を目指すモチベーションは下がり、静かな退職を選ぶ人が増えていると考えられます。
プライベートを充実させることを目的とした静かな退職が増えている
「静かな退職」は、最低限の仕事だけをこなし、昇進や給与アップを積極的に目指さない働き方です。 人事評価の面から考えると、確かに昇進や昇格に影響を及ぼす可能性はあります。一方で、プライベートを充実させるために昇進を考えず、静かな退職を選ぶ人が増えていることも事実です。 出典 株式会社働きがいのある会社研究所 Great Place To Work(R) Institute Japan 静かな退職に関する調査2024年 株式会社パーソル総合研究所 管理職の移動配置に関する実態調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部