ホンダ「CR-V」が燃料電池自動車になって日本で復活! 誰向けのクルマ?
CR-V e:FCEVの荷室には、「CHAdeMO」方式のDC給電コネクター(大容量の給電ができる機構)が付いています。ここに可搬型外部給電機を接続すると、最大で一般家庭の約4日分の電力を供給することが可能だといいます。災害時にはかなり役に立ちそうな機能です。外部給電機までそろえるのは一般ユーザーには敷居が高いと思いますが、自治体や企業がこういうクルマを外部給電機込みで所有する意義は大きいと思います。
■CR-V e:FCEVが向いている人は というわけで、CR-V e:FCEVがどんな人に向いているクルマかをまとめると、 ホンダの大きなSUVが欲しい人 家庭か職場で定期的にクルマを普通充電できる人(これはPHEVも同じです) 水素ステーションがお住まいか職場の近くにあって、必要な際には水素の充填に行ける人(ここが最大のネックになりそうです) バッテリーに貯めた電力と水素を使ってうまく移動すること、その方法を工夫することをいとわず、むしろ楽しめるという人 水素で作った電気を生活や趣味の中でうまく使っていきたいという人 こんな感じかと思います。このクルマをうまく、便利に、楽しく使える人は確実にいると思うのですが、誰もがそうではないこともまた確かです。プラグイン機能の追加で普通のFCEVよりも乗りやすいクルマにはなっていますが、とはいえ乗る人を選ぶクルマであることは間違いありません。 ホンダは2024年7月に日本でCR-V e:FCEVを発売しました。販売方法はリースのみ。初年度(2025年3月末まで)で70台の受注を計画しているそうです。今のところ60台が契約済みで、売れ行きとしては計画通りとのこと。購入者は法人・自治体と個人が半々くらいとの話でした。 車両の価格は809.49万円ですが、EVよりもかなり多い255万円の補助金がゲットできるそうですから、実質的には500万円台で買えるクルマだと考えることができます。 ホンダは1990年代からFCEVを作り続けてきましたが、今回のCR-V e:FCEVではFCEVをどれだけ安く作れるかにもこだわったとか。既存の車種であるCR-Vを使ったのも、専用の車体を作らず、部品なども流用しつつクルマを開発するための選択だったそうです。FCスタック自体も、触媒として使うプラチナの量を減らすなどしてコストを従来比1/3まで圧縮したといいます。
藤田真吾