ホンダ「CR-V」が燃料電池自動車になって日本で復活! 誰向けのクルマ?
■普通のFCEVよりは敷居が低そう FCEVは誰にでもオススメできるクルマではありません。CR-V e:FCEVにはプラグイン機能が付いているので、普段の通勤や買い物くらいならEV走行だけでこなせる人が多いと思うのですが、遠出する際は水素の充填が必須となります。水素ステーションは日本に160カ所弱しかないので、住んでいる地域によってFCEVを便利に使えるかどうかは異なります。水素ステーションは営業時間が決まっていますから、遠出するにはいつ、どこで水素を入れるかをプランニングすることも必要になります。
ホンダはアメリカでもCR-V e:FCEVを売っています。水素ステーションが割と多いカリフォルニア州で販売しているそうです。そちらのユーザーに話を聞くと、「水素をどう使うか」の工夫を楽しんで乗っている人が多かったとのこと。水素でいかにうまく移動するかを計画したり、工夫したりすることを楽しめる人は、CR-V e:FCEVに適した人だと言えるでしょう。そうした工夫や計画が煩わしいと感じる人は、ハイブリッド車かPHEVを買うのが無難なので、CR-Vをあえて選ぶ理由はなさそうです。
ところで、水素の燃費(?)はどのくらいなのでしょうか? 今回は水素ステーションでの充填も試してみたのですが、そこでの価格は水素1kgが1,650円となっていて、1.83kg入って3,020円というお会計でした。ホンダの人に聞くと、ガソリン車でいうと「ハイオクくらい」のコストだそうです。もちろん、プラグイン機能を活用して電気で走っていれば電気代しかかからないので、普段の移動はもっと安く済ませられるはずです。
■動く発電機としても使える? CR-V e:FCEVをタイヤの付いた水素発電機だと考えれば、楽しみが広がるかもしれません。クルマを普通充電するための充電口にAC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を取り付ければ、AC100V(1,500W)電力が取り出せるので、外出先でも電化製品が使えます。話を聞いたホンダの開発者は、ここに芝刈り機をつないで作業を行ったことがあるとのことでした。 電化製品を使っていてクルマのバッテリーの電気がなくなれば水素で発電が始まるわけですが、普通のハイブリッド車やPHEVと違ってエンジンが回るわけではないので、音もしないし排気ガスも出ないところが魅力です。