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あるサウジアラビアの王子が、ペットのハヤブサ80羽のために飛行機の座席を購入したというニュースを知っているだろうか。この2017年に起こった驚きの出来事が、SNSで再び大きく注目を集めているようだ。 【写真・動画】癒される人続出！ 静かにフライトを楽しむ80羽のハヤブサたち。

80匹のハヤブサが飛行機に搭乗！？

遡ること2017年、掲示板サイト「Reddit」にLensooと名乗るユーザーは「サウジアラビアの王子はハヤブサ80羽のための航空券を購入したんだ」というキャプションと共にある写真を投稿。なんとその画像には、飛行機の機内に搭乗している乗客数人とともに、一面に大量のハヤブサが搭乗している不思議な様子が映し出されていた。一羽ずつ頭巾を被るハヤブサは、エコノミー席の座席に掴まり、快適な空の旅を楽しんでいる。 飛行機では、周りの騒音など時々不運な出来事に出くわしてしまうことがあるが、80羽のハヤブサが乗るフライトに運悪く当たってしまうほどではないだろう。この様子にSNSでは「珍光景すぎる」「こんなことある？」「飛行機に乗って乗客が鳥だったら笑っちゃう」などという声が殺到。しかし、奇妙と思えるこの出来事は中東では珍しいことではないという。

中東では当たり前、ハヤブサとの関係性

CN Travelerによると、ハヤブサを飛行機で運ぶというコンセプトは奇妙に思える人もいるかもしれないが、特に「鷹狩り」が文化・歴史的に重要な意味を持つ国々では一般的な習慣であるという。鷹狩りとは、ワシ、タカ、ハヤブサなどの猛禽類を使って狩りをするスポーツ。アラビア半島では数千年前から盛んに行われており、現在でも彼らのアイデンティティに深く根付いているそうだ。この背景から中東ではハヤブサは非常に大切にされており、ハヤブサは飼い主と一緒に国境を越えることができる独自のパスポートを持っているほど。多くの場合、狩猟や鷹狩りの大会を目的としているそう。 カタール航空によると、現在はハヤブサを乗客1人につき最大6羽を機内に持ち込みが可能。また、エティハド航空もハヤブサをメインキャビンや受託手荷物に入れることができると伝えている。ハヤブサがアラブ首長国連邦の“国鳥”であることを考えれば、多くの航空会社が鳥類に対応するルールを整えていることは驚くべきことではないかもしれない。 一見、ハヤブサで埋め尽くされたフライトは、ただの珍光景に見えるが、中東文化における伝統と現代社会の交差を垣間見せてくれる奥深い出来事だった。近頃、日本への外国人観光客の増加に伴い、SNSで日本人の“日常”に衝撃を受け、その体験を紹介するSNS投稿も多く見られている。このような国や文化の違いによって起こる驚きはこれからも多く発見されていくだろう。