待望の新型12気筒フェラーリが登場! これぞ憧れのスーパーカーたる魅力を探る
クルマ好きオヤジさんの永遠の憧れは、なんてったって“跳ね馬”! 跳ね馬のエンブレムを掲げるフェラーリは、常に引く手あまた。入手困難な状況はずっと続いているほどであります。
ネーミングからして本気度が伝わってきます
12気筒エンジン搭載車は、もはや世界遺産級。多くのメーカーが12気筒エンジンの生産を取りやめています。しかし環境対応技術までしっかり盛り込んで、フェラーリは12気筒への強いこだわりを見せています。 2024年5月3日に、フェラーリは、伝家の宝刀12気筒搭載の新型車をお披露目しました。その名もずばり「12チリンドリ・ベルリネッタ」と「同スパイダー」。イタリア語で12気筒の意味です。なんともいさぎよいネーミング!
場所は、米マイアミ。米国市場参入70周年を記念する意味もあったそうで、F1マイアミグランプリとタイミングを合わせたものです。エンジンを前部に搭載して後輪を駆動する2人乗り。1950年代から60年代にかけてフェラーリが送り出したGTを彷彿とさせるモデル、と説明されました。 確かに、昔のフェラーリを知る人なら、「1950年代から60年代にかけてのGTからインスピレーションを得た」という、デザイン統括のフラビオ・マンツォーニ氏の言葉にうなづけるでしょうか。とりわけ、67年に発表された「356GTB/4(デイトナ)」の面影を、ノーズとか車体側面に見いだすことができる気も。
マニアをも刺激する、新型12気筒の懐古的な造形美
ちょっと懐古的なモチーフを今回はあえて採用したようです。ユニークなのは、ベルリネッタ(クーペ)のリアウインドウの造型。「(1960年代から70年代にかけて多く登場した)デルタ翼のイメージ」を盛り込んだとマンツォーニ氏は言います。コンコルドをはじめ、サーブ35ドラケンとかミラージュⅢといった機体を思い出すオヤジさんもいるかもしれません。 「12チリンドリは、(2022年まで生産されていた)812スーパーファストの後継にあたります。ただしホイールベースをより短縮するなどして走りの良さを追求している分、ボディデザインでは、存在感を強調する必要があったため、各所に印象的なモチーフを使いました」