今年の飲食料品値上げ、3万2396品目 過去30年で記録的「ラッシュ」 2024年の値上げは約4000品目、今年の6割減ペース
2024年の値上げ動向:5月までに3891品目、23年比6割減ペース 年1~1.5万品目予想
2024年の食品値上げは、記録的な値上げラッシュとなった23年に比べて小康状態が続くとみられる。24年1月から5月までに値上げが決定している飲食料品は、オリーブオイルやゴマ製品、ケチャップや冷凍食品、輸入ウイスキーなど累計で3891品目判明した。単月で最も多い2月は1609品目と、23年10月以来4カ月ぶりに1000品目を超えた。4月(1352品目)とあわせ、24年春まで小~中規模な値上げラッシュが断続的に発生する見通しとなる。ただ、22年12月末時点で判明した翌年(23年)の値上げ予定品目数は9781品目に上ったのに対し、24年の値上げ品目数は約4割(39.8%)の水準にとどまる。 1回当たりの値上げ率平均は17%となり、22年(14%)および23年(15%)を上回る高い水準で推移する見込み。オリーブオイルなど輸入製品を中心に、最大50%以上と大幅な価格引き上げを行う食品が多いことも、値上げ率が高止まりした要因となっている。 2024年の値上げで最も多い食品分野は「加工食品」(2137品目)で、全体の約半数を占めた。冷凍食品類のほか、ベビーフード、パスタソースなど多岐にわたるものの、23年からは大幅に減少した。次いで多いのが「調味料」(784品目)で、トマトケチャップやだし・つゆ製品が中心だった。嗜好性の強い「酒類・飲料」(417品目)は輸入ウイスキーなどアルコール飲料が中心だった。同じ嗜好品の「菓子」(248品目)も、氷菓のほかクッキーやガム、グミ、チョコレート製品が多く目立った。24年の値上げの傾向として、内容量減による価格維持=「実質値上げ」ではなく、本体価格の引き上げが23年に続き多くみられる点が特徴となる。 2024年の値上げは、23年初旬に値上げして以降1年ぶりに価格改定を行う食品も多い。値上げの要因としては食材価格の上昇に加え、プラ製トレーや紙パックなどの包装資材、物流費の上昇が引き続き多くを占めた。ただ、値上げペースは総じて大幅な減速傾向をみせており、24年通年の値上げ品目数は最大で1万~1万5000品目の水準で推移すると予想される。