来年の「おせち料理」、平均2万6619円 価格1000円アップ 「海鮮おせち」で割安感目立つ
2024年正月シーズン「おせち料理」価格調査
お正月の縁起物として欠かせないお祝い料理「おせち」でも値上げが続いている。全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、著名な日本料理店など計110社で販売されるおせち料理(三段重または3~4人前分)の価格を調査した結果、2024年正月シーズンの平均価格は2万6619円(税込)だった。 1年前(23年正月、「昨シーズン」)の2万5461円に比べて1158円、率にして4.5%の値上がりとなったほか、2年前の22年正月シーズンに比べると2237円・9.2%の値上がりとなった。2年間で1割以上の値上がりとなったクリスマスケーキに比べ、おせち料理の値上げは小幅にとどまっている。 前年から価格が上昇したおせち料理を値上げ幅別にみると、最も多いのは「2000円未満」で、全体の3分の1にあたる34社に上った。百貨店やホテルなどが展開する2万~3万円台のおせち料理で値上げが多くみられる一方、4万円を超える高級おせちや、1万円台のリーズナブルなおせちでも1000円台の値上げが行われた。以下「3000円未満」(14社)、「4000円以上」「1000円未満」(各8社)と続き、昨シーズンから価格が上昇したおせち料理は調査対象の110社中68社と、昨シーズン(66社)から微増となった。 一方、昨シーズンに大幅に値上げを行ったものの、今シーズンは価格を据え置きとしたおせち料理もあり、その多くが海鮮を主体とした和風おせちだった。
水産物の価格下落で「海鮮おせち」に恩恵 「値上げは最小限」の声も
2024年正月のおせち料理は、原材料やコンセプトに応じて値上げか据え置きかが決まる「二極化」が顕著となった。原材料価格(店頭・卸価格ベース)をみると、洋風おせちで主役となるローストビーフの材料(牛モモ肉)や輸入サーモンなどは昨シーズンに続き高騰したほか、鶏卵価格も高止まりが続いたため、大幅な値上げとなった。 和風おせちでも、輸入いせえびやあわび、数の子などでは価格が高止まりしたほか、醤油などの調味料、化粧箱などの資材費などでコストが上昇した。ただ、昨シーズンに価格が高騰したまぐろやいくら、ほたて、かになどは価格が落ち着いたことも背景に、特に「海鮮おせち」で小幅な値上げにとどまった。年に一度のお祝いであることから「値上げ幅は最小限」といった声も聞かれるほか、例年に比べて割安に入手できる高級食材を使用して割高感を抑えたおせちもみられ、値上げの動きは全体的に抑制されている。