洗剤を頻繁に使う家の子が発症しがちな「ある病」 「抗菌消毒剤・芳香剤・消臭剤」の使用も要注意
「いろんなものをばらばらにしてしまう強い化学物質で作られた、とてもきつい洗剤がありますよね」。 スタンフォード大学ショーン・N・パーカー・アレルギー・喘息研究センター長であるケアリー・ナドー医師は私にこう話した。 「それも当初はよいものだと思われていました。でも、それから人々はこんな風に捉えるようになったのです――ちょっと待って、こういう洗剤を作る工場で働いている人たちはみんな、呼吸のトラブルを抱えている、と。人がプロテアーゼ(タンパク質を分解する酵素のこと)を洗剤に入れているという事実、そうした洗剤が布や肌、髪や皿をきれいにするものとされている事実……実はそれらが、私たちの体に害を与える可能性があったのです」。
私たちの議論の間、ナドーは近代的な暮らしの負の側面についての主張を断固として譲らなかった。とりわけ、私たちが自分たち自身─そして子供たち─を日々曝露させているあらゆる化学物質のことについては。彼女は重篤な湿疹が近年増加していることを指摘した。 1940年代、50年代には、先述のような新型の洗剤を作っていたのと同じ会社(例えばダウ・ケミカルなど)によって「キュキュッと音が鳴るほどぴかぴか」の家庭のイメージが喧伝されていた。
「これが実は問題のあるイメージだったのです」とナドーは言った。 「結局、私の祖母が農場で送っていたような暮らしが、おそらくは正しいやり方だったのです。たくさんの洗剤を使わない、毎日は入浴しない、ちょっとばかりの土埃に必ず触れる、野外に身をさらすようにする」。 ■洗剤・芳香剤・消臭剤・抗菌消毒剤のリスク 近年のある研究では、カナダのサイモン・フレーザー大学の研究者たちが、家庭用洗剤をより頻繁に使う家に暮らす低月齢の乳児(生後0カ月から3カ月)は3歳になるまでに喘鳴と喘息を発症する割合がはるかに高くなることを見出した。研究者たちは、こうした乳児の大部分は80%から90%の時間を室内で過ごしていた――洗剤への曝露を大幅に高めていた――と記している。