洗剤を頻繁に使う家の子が発症しがちな「ある病」 「抗菌消毒剤・芳香剤・消臭剤」の使用も要注意
家と自分たち自身を衛生的にしようとする努力は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間ずっと高まっていた。殺菌用のウェットティッシュが何カ月もすっかり売り切れていたあの頃だ。これらは全て私たちの皮膚バリアに悪影響を及ぼしうることで、私たちがアレルギーを発症する可能性を高めてしまう。 ■弱った「皮膚バリア」とアレルギー ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部では、免疫学研究者のセルゲイス・ベルニコフス博士が、アレルギーの発症を説明するための「統一バリア仮説」を提唱した。
彼の考えは、性器から目まで、私たちの全身のバリアが多様なホルモンによって調節されているというものだ。もしそれらのホルモンの量がある箇所で変わると、そこでの上皮バリアが弱められ、アレルギー反応のリスク増大につながる。 同じくノースウェスタン大学ファインバーグ医学部に所属するエイミー・パラー医師は、このバリアの問題をアトピー性皮膚炎との関係の中で説明した。彼女が指揮した研究では、マウスの皮膚に粘着テープを貼りつけてから剝がして皮膚バリアを奪い、そこにアレルゲンを塗布すると、アトピー性皮膚炎が生じた。パラーの言葉によれば、このバリアの傷によって「マウスは抗原に対して極めてむき出しにされ」たのだった。
これに関連して、食物アレルギーの二重抗原曝露仮説〔アレルゲンが皮膚から体内に入り込むとアレルギー感作が起こるが、それよりも前の適切なタイミングで口から摂取すればむしろアレルギーを起こしにくいとする仮説〕はバリア仮説を更に拡張する。弱った皮膚バリアを通じて食品由来のタンパク質に曝露されると共に、早期から食品由来のタンパク質を多量に経口摂取すると、本格的な食物アレルギーになりうるという主張だ。 これはつまり、次のようなことである。
あなたがピーナッツバターサンドウィッチを作り、その手を洗わないまま自分の赤ん坊を抱え上げれば、少量のピーナッツタンパク質がその子の肌に残るかもしれない。その子の皮膚が「守りのゆるい」状態(リーキー・スキン)なら、付着したピーナッツタンパク質は肌の奥へと染み込んでいくだろう。もしその子が続いてピーナッツを食べれば、それがピーナッツアレルギーを引き起こしうる。 ■洗剤工場で働いている人が抱えるトラブル