タイ自動車市場で「中国勢の値下げ競争」が激化 一斉進出に市場全体の減速が重なり目算狂う
■日本メーカーはさらに深刻 現地の自動車専門メディア、オートライフ・タイランドのデータによれば、タイ市場の2023年のEV販売台数は6万6000台と、前年の7.8倍に急増した。ところが、2024年上半期の販売台数は3万7000台にとどまり、前年同期比の伸び率は2割に届かなかった。 EV販売の予期せぬ急減速を受け、業界団体のタイEV協会は2024年7月、通年の予想販売台数を15万台から8万台に大幅に引き下げた。
これはEVだけの話ではない。市場調査会社マークラインズのデータによれば、タイ市場の2024年1月から8月までの(エンジン車を含む)新車販売台数は39万9000台と、前年同期比23.9%も減少した。 タイ経済が全体的に減速する中、家計が抱える債務が高水準にあり、金融機関が自動車ローンの承認に慎重になったことが影響しているとされる。日本メーカーの主力であるエンジン車は、EVに輪をかけて販売が低迷している。
(財新記者:余聡) ※原文の配信は10月22日
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