名門マーチ復活を諦めたくない!! こんなかたちなら復活できる…はず!!
ただ、BEVになってしまうと、マーチは「マーチ」ではなくなってしまう
となると、日本でもこの新型5(サンク)の姉妹車が、日産から「マーチ」として登場するようにも思えるが、そう簡単にはいかないと筆者は考える。 新型5(サンク)は、全長3920mm、ホイールベース2540mmと非常にコンパクトだが、航続距離は300~400km(WLTP)にもなる。価格はフランス国内で2万5000ユーロ(405万円相当)だ。新型マイクラも、これに近しいスペックと車両価格になるものと考えられ、従来のマイクラからはかなり価格帯が上がることになる。やはりBEVとなると、価格帯が上昇してしまうことは避けられない。 軽自動車のサクラだって259万9300円~なのだから、もしマーチがBEVとなると、それより高く設定されると思われ、おそらくサクラ(税込259万円)とリーフ(税込408万円~)の中間となる333万円~程度にはなってしまう。 そうなると、ノートよりひと回り小さいマーチがノートよりも高いクルマとなり、日産のエントリーカーであったマーチのイメージとはかけ離れてしまう。それはすでに「マーチ」ではなく、日産が国内で新型マイクラを販売することがあっても、それが「マーチ」として販売されることはないのではないかと思うのだ。 筆者は、国内でマーチが復活することがあるのならば、いまも4代目が継続販売されている東南アジアや南米のマーチのフルモデルチェンジ版の日本導入が適しているのではないかと考える。これらの地域では、欧州とは違い、BEVとなったマーチを導入することは考えにくく、今後もマーチを販売し続けるのなら、すでに14年選手となっているマーチを、いずれ(マイクラとは別に)フルモデルチェンジをする必要がある。このフルモデルチェンジ版を日本に導入したほうが、「ノートはちょっと高いなぁ」と思っている日本のユーザーにとって、嬉しい選択肢になるはずだ。これが、マーチが「マーチ」として復活できる唯一のシナリオではないだろうか。 軽自動車の品質や安全性が向上したことから、いまは、マーチのようなクラスをあえて選択する必要性はないのかもしれない。ただ「軽自動車はいやだけど、もっと気軽なクルマが欲しい」と思っているユーザーは、まだまだ少なくないのではないだろうか。ここまで国内では電動化を強力に推し進めてきた日産だが、世の中の流れは微妙に変わってきている。ノートよりも気軽なコンパクトカーとして、名門マーチが復活してくれることを期待したい!!