“視聴率に頼らない”戦略を求めて──福岡放送のデータ活用 目指すはネット動画の“再生回数”との比較
番組、クリエイターたちに横串を通す
22年のリーチ戦略部の設立以降、福岡放送内でのデータ基盤の構築に取り組んできた松浦さんだが、いまだ道半ばでゴールはまだまだ先だとこぼす。いざデータを可視化したダッシュボードを作成しても、それを社内に浸透させるにも一苦労があるためだ。 「テレビ局にいる人々はクリエイター気質な人が多く、個性派ぞろい。バラエティ番組やワイド番組、朝のニュース番組など、作る人それぞれが自分の信念を持っている。そんな人たちに『ダッシュボードを出しました!』だけで終わると、誰も使ってくれない。一人一人と直接話し『データ活用、やりませんか?』『こういうメリットがありますよ』と口説いていく必要がある」(松浦さん) そのため、今後の目標は社内全体で横串を指すことだと松浦さん。各番組や部署で分断されている現状を変えるために、それらの結ぶ中間地としての役目をリーチ戦略部が担いたいと展望を語る。「地方局のデータ活用事例の先駆者になれるよう、今後も活動を続けていきたい」(松浦さん)
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