塩麹でやわらか絶品「モツ煮込み」!居酒屋顔負けの仕上がりが簡単に【沼津りえの季節の手仕事#25】
kufura
季節の移ろいを感じながら、作る過程を楽しみたい「季節の手仕事」。旬の恵みを存分に味わう逸品を料理研究家・沼津りえさんが丁寧に解説します。 【写真10枚】やわらか絶品「塩麹モツ煮込み」の作り方を写真で一気見する。みそを入れるタイミングがポイントです! 今回は冬の定番「モツ煮込み」を紹介します。居酒屋では欠かせない定番メニューですが、家庭でも美味しく作るコツを沼津さんが伝授。なんと調味料は「塩麹とみそ」だけ! 臭みナシ&モツがやわらかい絶品モツ煮込みを家庭で手軽に楽しめます。
「下ゆで」と「塩麹」で臭みゼロのやわらかいモツ煮込みに!
だんだんと寒さが増してきて、煮込み料理の美味しい季節になりました。kufuraの動画でレバーや砂肝など内臓系の料理が大人気の沼津さん。そこで、今回は「モツ煮込み」の作り方を教えてもらいました! 「私のモツ煮込みは、調味料は塩麹とみそだけ! しかも、みそは大さじ1しか入れません。通常だとモツの臭みを濃い味付けで和らげることも多いので、調味料が少ないと思うかもしれませんが、実はこれで十分。だまされたと思って、作ってみてください。野菜の旨味たっぷりで、モツの臭みも全然なくて、びっくりしますよ!」(以下「」内、沼津さん) モツ煮込みは通常1時間以上は煮込むイメージがありますが、なんと煮込み時間は40分程度。本当にやわらかくなるの?と思った人こそ、作り方を一緒にチェックしてみましょう!
【材料】(2人分)
ゆで豚モツ・・・200g にんじん・・・2cm(30g) 大根・・・3cm(100g) にんにく・・・1片 厚揚げ・・・1/2枚(80~100g) こんにゃく・・・1/2枚(100g) 水・・・600ml 塩麹・・・大さじ1 みそ・・・大さじ1 長ねぎ(小口切り)・・・適宜 七味唐辛子・・・適宜
【作り方】
(1)モツをゆでる 市販のゆでモツはそのまま調理できますが、ゆでて下処理をしたほうが臭みが取れて、やわらかく仕上がるそう。 沸騰した湯にパックのゆでモツをそのままドボンと入れ、中火で3~4分ゆでて臭みを取ります。ゆでているとアクが出て、湯が白濁してきました! 思った以上に余分な脂があるんですね。 (2)モツを洗う ボウルに水を張り、ゆでたモツを入れてよく洗います。ゆでたてのモツを入れたらすぐに水を替えてください。2回目はモツが冷えて水がすぐに温かくならないため、モツの脂が固まってきます。 軽くすすぐようにして、水が透明になるまでよく洗い、ザルにあげて水気を切ります。これで余分な脂とアクがスッキリ取れました! (3)野菜を切る にんじんは5mm幅のいちょう切りに、大根は皮を薄くむき、にんじんよりやや厚めの7~8mm幅のいちょう切りにします。にんにくは半分に切って、芯を取ります。厚揚げは半分に切って、7~8mm幅に切ります。こんにゃくは断面がギザギザになるようスプーンでちぎって、味を染み込ませやすくしておきます。 (4)塩麹を加えて煮て、アクを取る 先程、モツをゆでたフライパンで再度調理する場合は、フライパンに臭みが残っているので、しっかり洗ってから調理を始めてください。 フライパンに水、にんにく、塩麹、水気をしっかり切ったモツを入れ、中火にかけます。沸騰したらアクを取りましょう。丁寧にアクを取ると、美味しく仕上がるそうです。 「酒や青ねぎなど、いわゆる臭み取りに使われる食材を今回は使わず、にんにくと塩麹の力のみで仕上げます。初めにしっかり下ゆでしたので、モツの臭みも全然ありません。香ばしくて甘い香りがしていますよ」 (5)中火で5分煮る 少しずらしてふたをして、中火で5分ゆでます。もうアクが出なくなってきました。 (6)具材を入れて、20分煮込む 5分ほど煮たら、具材を全部入れます。再度沸騰したら、少しずらしてふたをして20分ほど煮込みます。 (7)みそで味付けする 野菜がやわらかくなり、煮汁が半分くらいになってきました。目安としては、大根がやわらかくなっていればOKです。ここまでしっかり煮込んでから、みそを加えて味付けします。 「使うみそは大さじ1だけ! 先にみそを溶いてから煮込んでいく作り方もありますが、塩味を先に入れると野菜が硬くなり、煮込み時間が長くかかってしまいます。やわらかく煮込んでから味付けすれば味の染み込みが早く、煮る時間も短くて済むうえ、少ないみそでしっかり味付けできるんです。 今回はみそしか使いませんが、甘めの味がお好みの場合は、みそを入れる前に砂糖かみりんを大さじ1~2加えて調整してみてください」 (8)仕上げに4分ほど煮込む みそが全体に絡んだら、少しずらしてふたをして、仕上げに水分が半分くらいになるまで煮込みます。今回はさらに中火で4分ほど煮込みました。 「煮汁がトロッとしてきたらOKですよ」 (9)できあがり! 器に盛り、好みで小口切りにした長ねぎをのせ、七味唐辛子を振ったら完成です! 早速食べてみると……モツ臭さが全然なくて、感動! 雑味がなく上品な味わいで、そして塩麹効果でしょうか、モツがとってもやわらかい! さらにあんなに少ないみそだったのに、野菜の甘味がしっかり溶け出ているからか、旨味もたっぷり。塩麹のほのかな甘味も感じます。味が濃すぎず、優しい味わいなので、いくらでも食べられてしまいます。 「下ゆでして臭みを取るひと手間をしておくと、仕上がりにグンと差が出ます。塩麹の効果でモツがやわらかくなり、塩味を入れずにコトコト煮込むことで、少ないみそでも味がしっかり決まるんです。煮込んでから味付けする。これは他の料理にも応用できることなので、ぜひ覚えておくといいですよ!」 夫がモツ煮込みが大好きなので、早速作ってみたところ、「優しい味で美味しい!」と大好評。居酒屋のモツ煮込みはお酒に合うように濃いめの味付けですが、こちらは味が濃すぎないので食べ疲れないため、日本酒のあてにした後、さらに「まだある?」と言って、ごはんのおかずにもしていました。私もごはんにかけて食べたら最高でした!(笑) 今まで、モツ煮込みは居酒屋メニューにお任せで、時間も手間もかかりそうだし……と、家では作っていなかったのですが(夫、ゴメン!)、この手軽さ&スピードだったら、今年の冬はリピート必至になりそうです。 だんだん本格的に寒くなり始めたので、ぜひモツ煮込みで一杯(もちろんごはんも!)いかがでしょうか? 取材・文/岸綾香
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HP:https://riecookcookcook.jp/ Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」
沼津りえ