蒸し厚い時期にさらりと着たい 英ジョン スメドレーの「世界最高峰」ニット
■素材にこだわり 最高級綿「シーアイランドコットン」
いまや世界各地で愛されているジョン スメドレー。その魅力を語るうえで欠かせないのは「最高級天然素材への徹底したこだわり」、そして「240年にわたり継承されてきた高度な職人技」、この2点が筆頭に挙げられるだろう。 まずは素材へのこだわりから。創業者の息子のジョン2世が掲げた「最高品質の素材だけを用いる」という理念のもと、素材は主に「ジョン スメドレーズ シーアイランドコットン」と「ニュージーランド メリノウール」の2つを厳選して採用している。 中でも注目したいのが、春夏コレクションの大半で採用されているシーアイランドコットンだ。 これは「繊維の宝石」や「幻のコットン」などの異名を持つ、世界で最も希少な綿の1つ。その繊維は「超長綿」と呼ばれ、驚くほど細く、長いのが特徴。 十分な強度を保ちながらソフトでしなやかな糸を作ることができるため、高密度できめ細やかな極上の肌ざわりを生み出すことができる。 また、シルクのような光沢を持つ性質から、ニットに上品な艶感が出るのも魅力だ。吸湿性や放湿性が高いので、汗ばむ季節でも体にまとわりつかない。まさに夏のパーフェクトニットと言えるだろう。 ちなみに英国王室では、早くからシーアイランドコットンの価値を認識していたらしい。16世紀後半のエリザベス1世の時代にはベッドリネン、ナイトウエア、ハンカチなどで、この希少なコットンを愛用していたという。
■手作業を守り抜く キャリア50年以上の職人も
もう1つの魅力、高度な職人技についてもみていこう。 ジョン スメドレーは、24ゲージ、30ゲージと非常に目の細かい超軽量ファインゲージニットだけを真摯に追求している。このこだわりも、他のニットウエアメーカーと一線を画す点だ。 ちなみに今回紹介したアイテムはすべて30ゲージのもの。カジュアルな装いからビジネスシーンまで幅広く対応する。 実は商品1点を生産するには、手作業でしか行えない工程が35以上もあるのだとか。だから、指先の微妙な感触に頼る熟練技が必要とされる工場には、50年以上のキャリアを持つベテラン職人たちが数多く在籍するという。 最先端のテクノロジーを導入する一方、何世代にもわたって職人たちの手作業によるクラフトマンシップを守り抜いてきた。 そうした姿勢が、ブランドのキャッチコピーである「THE WORLD’S FINEST KNITWEAR(世界最高峰のニットウエア)」という、ブランドの立ち位置を現実のものとしてかなえている。