まずは次期プレリュード プロトタイプで気持ちよさの片鱗を超速体感!「Honda S+ Shift」から始まる「Honda e:HEV」の革新は、内燃機関の未来に新たな刺激をプラスする
目指したのは「有段ギア」の、ちょっとアナログな?フィーリング
そして3つめ。実はもっとも期待したいのが、次世代e:HEVシステム搭載モデルに採用されるという電動AWDユニットなのでした。モーターユニットは、「0シリーズ」開発の中で熟成が進められた小型・高出力のシステムを採用して、コスト面でのアドバンテージも稼いでいます。 従来の機械式AWDに比べて、前後駆動力の配分制御が格段に進化していることがまずは注目したいポイント。向上した最大駆動力と相まって、高精度かつ素早いモータートルク制御を実現しているとなれば、スポーツ領域でのドライバビリティの向上が大いに楽しみです。 特徴的なのは、加速時に後輪への駆動力配分がアドオンされていること。また減速時の車両制御コントロールまでこなしているそうです。ライントレース性や操縦安定性の向上もさることながら、スポーツ走行で急減速をかけるシーンなどでは、フロント側の沈み込みにあわせてリア回生を効かせ、フラットな姿勢を保ってくれます。 一方でコーナリング時には、過度に後輪への配分を上げ過ぎないことで、内輪荷重の成分を減らす方向でセッティング。挙動変化の少ない安定した旋回姿勢を追求しています。 この新しいAWDは、ミドルクラスの新型モデルを想定して開発された、次世代プラットフォームに対応して開発が進められているもの。ただ固めるのではなく、引き締まった動きを生むための「しなりを考慮した」剛性マネジメントが徹底されていることが、ポイントです。 ロードノイズ低減や衝突性能を向上させた新しいプラットフォームは、モジュール構想に基づいた優れた共用性を備えた上で、個性的な商品ラインナップを自在に作り分けるフレキシビリティも備えています。
e:HEVワールドの広がりは、もしかすると想定を超える
ワークショップの中でホンダは、e:HEVシステムとプラットフォームの刷新による「圧倒的な戦闘力を備えた商品群」を、順次市場に投入する計画も明らかにしています。少なくともここ数年は、その戦闘力向上には常にICEの存在が垣間見えるような気がします。 ちなみにHonda S+ Shiftを紹介するオフィシャルリリースには、「エンジンとモーター制御による有段変速フィーリング」という見出しとともに、「まるで有段ギアを変速したようなドライブフィールを実現します」と謳われています。 「有段ギア」という表現が、なんとも味わい深い印象。そのあたりからもまた、内燃機関(と書いてアナログと読む?)大好き!感が伝わってくるのではないでしょうか。こだわりからもたらされる「恩恵」は、まさに、華やかな「序章(プレリュード)」の先にすでに見えているのかもしれません。 ところで・・・・ちょうど、この原稿を書いているたった今(2024年12月23日18時頃)、日産とホンダ、三菱自動車が「経営統合」に向けた「3社協業形態の検討に関する覚書を締結」に関する記者会見が開催されています。 そこで記者の質問に答えるカタチで本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 三部 敏宏氏が、「たとえば」の話として、統合のシナジーとして期待される「強み」のひとつとして「我々のハイブリッドが・・・」と発言しました。もしも統合が実現すれば、事業の立ち上がりはまずはホンダがリードしていく形になるといいます。 その戦略的根幹に、Honda e:HEVが重要なコアとして位置付けられていることは、間違いなさそうです。「Biz&Techの世界」は果たして、どこまで広がりを見せることになるのでしょうか。
Webモーターマガジン編集部
【関連記事】
- これが新型プレリュードの市販型!?マジカルシフト「Honda S+ Shift」をひっさげて、北米には2025年後半、欧州市場には2026年初頭から投入
- ホンダ「シビック タイプR レーシングブラックパッケージ」 & 「プレリュード プロトタイプ」が東京オートサロン2025で初お披露目
- 「 ホンダ プレリュード コンセプト」が赤黒ツートンボディで欧州にて鮮烈デビュー。ホンダ25年のハイブリッド技術の結晶【動画あり】
- プレリュード コンセプトは「コンセプト」ではない!? 2020年代なかばに市販予定・・・ってことは、もうすぐ!
- 【特集】ホンダ新型シビックに高性能版「Si追加」で注目度アップ。凄いのはタイプRだけじゃない(前編:日本のSi事情編)