まずは次期プレリュード プロトタイプで気持ちよさの片鱗を超速体感!「Honda S+ Shift」から始まる「Honda e:HEV」の革新は、内燃機関の未来に新たな刺激をプラスする
電動化の時代に向かいながらも、主役はエンジンだったりする
ここ数年、多少の足踏みこそあるものの確実に訪れることになるバッテリーEVの時代に向けて、さまざまなメーカーが戦略を明らかにしています。中にはEV専業ブランドへの早期の転換を目指して、内燃機関を中心とするパワートレイン技術の新規開発凍結を明言しているメーカーもありました。最近は一部で「ブレ」も見うけられますが。 もちろんホンダも、その潮流に乗り遅れるわけにはいきません。「Honda 0 Tech Meeting」と名付けられた全く新しいEVシリーズを中心に、着実な電動化シフトを組んでいることは確かです。 確か・・・なのですが今回、宇都宮のプルービンググラウンドで開催された新技術取材会「Honda e:HEV Biz&Tech Workshop」での主役は、やっぱり「エンジン」なのでした。改めて思うのですが、ホンダに限らず日本の自動車メーカーって、なんだかんだ言いながら好きなんですよね、ICEが。 公開されたのは本格的なEV時代への移行期に向けて開発が進められている、技術群です。まずは数年のスパンを見据えて、ハイブリッド車に対する需要に応えるメニューが揃いました。 中でも試乗した次期プレリュード(コンセプト)は、真っ先に市販化されるテクノロジーを搭載した直近未来形。2025年後半から2026年初頭にかけての発売開始が、欧米市場向けにアナウンスされているテクノロジーです。 搭載されているe:HEVユニットは、直噴アトキンソンサイクルDOHCエンジンに、2モーターを平行軸に配置した電気式CVTを搭載する、いわゆる「SPORT e:HEV」の一部改良版です。注目すべきはそこに組み合わされた新しいシフトコントロールのテクノロジー「Honda S+ Shift(ホンダ エスプラス シフト)」です。 もともとダイレクト感では定評のある「リニアシフトコントロール」の進化形ですが、およそCVTのイメージとはかけ離れた「さらなる切れ味」を徹底的に追求しています。アップシフト方向での応答性は、ホンダ曰く「世界最速」・・・とくに、パーシャルからアクセルを踏み込んだ時の初期応答のシャープさが大きく向上している、とのこと。 加えて、ブレーキ減速時などのシフトホールド状態から再加速までの間、最適なエンジン回転数をキープしながら加速用発電に向けたタメを持たせる制御を追加。いざアクセルオン!のタイミングで「おいしい領域」を最大限に使い切ってのダイレクトかつ圧倒的な加速レスポンスを実現しているそうです。 運転手役のモータージャーナリスト 河村康彦氏が、周回を重ねるごとにペースを上げまくっている様子をリアシートから眺めていると、ハンドルを握っていなくてもその愉しさは十二分に伝わってくるような気がしました。実際に握っていたのは、ややべたついた感のある手汗でしたが。ホントにご機嫌な感じで。いや、うらやましい。
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