5年間の世界旅行で、私は「節約」生活を身につけた。帰郷後もそのマインドセットは生かしている(海外)
生活費の高い場所では、節約するために労働を提供した
物価の高い地域では、ワークアウェイ・インターナショナル(Workaway International)を通じて労働を提供する見返りとして食事付きの部屋を借りた。ワークアウェイ・インターナショナルのウェブサイトを検索すれば、農場やホテルなどで働く「ボランティア」を探している全世界のホストを見つけることができる。彼らは労働と引き換えに、住む場所を、ときには食事さえ提供してくれる。 実際、私は数カ月の予定で、サステナブルな農場で働きながら暮らすためにコスタリカへ旅だったのだが、最終的にはそこに5年も滞在することになったのである。この制度が、私が移住を検討していた同国への完璧な手引きとなった。私は完全に移住する前に、地元の人と親交を結び、言葉を学び、文化に対する理解を深めることができた。 ヨーロッパを旅した夏、数日ごとに違う都市に滞在する費用を埋め合わせるために、滞在した3カ月のうち1カ月で労働を提供した。トスカーナにある小さな中世的な町で、ソムリエが所有するブドウ園に滞在して食事も無料だった。毎朝1時間か2時間、オーナーの天然プールを掃除したり、庭の草むしりをしたりしてから、また1時間か2時間、彼女が行なっているワイン・ツアーのウェブサイトの運営を手伝った。 午後と週末は自由で、自分の仕事をしたり、地域を散策したりできた。その月の生活費はほとんどなく、しかもホストを通じてワインのつくり方やイタリア文化をたくさん学ぶことができた。いくつかの家庭料理も教わった。 ワークアウェイ・インターナショナルのウェブサイトを通じて、ニューヨーク市でも一夏を過ごすことができた。私はペットシッター業を営むニューヨーカー夫婦を手伝い、市内のあちこちの家庭でペットの世話をした。その見返りとして、夏のあいだずっと無料で宿泊し、食事代ももらった。自分の仕事をする時間もじゅうぶん残されていた。
外国にいたとき、娯楽にお金を使う必要を感じなかった
外国にいたときは、毎日を楽しく過ごすのがとても簡単だった。 アメリカでは、ショーのチケットを買ったり、今後のイベントを調べたり、退屈しのぎに外食したりする必要を感じることが多い。しかし見知らぬ国にいると、毎日の生活は新しい出来事やチャレンジであふれているため、退屈する暇などほとんどない。 初めての街を歩き、ユニークで目新しい建築物を眺め、森を散策し、それまで見たことのない植物や動物に驚いていると、満足感が得られる。食料品店で日常的な会話をしたり乗るバスを調べたりすることが、言葉の練習や学習につながり、それらがすでに娯楽と感じられる。 アメリカで各地を旅すると、私はそうした旅行者のマインドセットに戻ることができる。この数年、私は夏に1カ月かけてさまざまな国立公園や都市を車でまわった。寝るのは道中にある無料の、あるいは安価なキャンプ場で、そうした旅行では、家にいるときよりも出費が少なかった。 外国にいたときに身につけた旅行者のマインドセットのおかげで、私は探索し、クリエイティブに生き、単純な活動のなかに楽しみを見つける能力を得た。自分の国アメリカでも、訪問者のように行動することで、そのマインドセットを生かすことができる。
Elizabeth Aldrich