再稼働に13年要した島根原発、識者「規制委の安全審査は時間かけすぎ」「効率性高める努力を」
全国で唯一、県庁所在地に立地する中国電力島根原子力発電所2号機(松江市、82万キロ・ワット)が7日、約13年ぶりに再稼働した。今月下旬に発電を再開し、来年1月上旬に営業運転に入る予定だ。 【写真】中央制御室で2号機を再稼働させる運転員(7日午後2時57分)
島根2号機の再稼働まで約13年かかったのは、原子力規制委員会の安全審査への対応に時間を要したためだ。東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえて2013年にできた「新規制基準」によって自然災害への対策が大幅に強化された。地震の揺れや津波の高さなどの想定を厳しくするよう電力会社側に求めている。
これまで27基の原発が審査に臨んだが、合格したのは17基にとどまる。一方、AI(人工知能)の普及やデータセンターの増加に伴い、電力需要は大幅に増える見通しだ。
常葉大の山本隆三名誉教授(エネルギー環境政策)は「現状の審査は時間をかけすぎている。規制委が電力会社に論点を事前に提示するなど、双方が協力して効率性を高める努力をすべきだ」と話す。