中国新築住宅価格、10月は9年ぶりの大幅下落 底入れの兆しも
Liangping Gao Ryan Woo [北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日発表したデータによると、10月の新築住宅価格は前年比で2015年以来最大の下げとなった。ただ、前月比での下げ幅は縮小し、政府の支援策により不動産セクターが安定し始めていることが示された。 統計局データに基づいたロイターの算出によると、10月の新築住宅価格は前年比5.9%下落し、9月の5.8%に続き16カ月連続で値下がりした。 前月比では0.5%下落した。下落幅は9月の0.7%から縮小し、3月以来の低い下落率となった。前月比の価格は1級、2級、3級都市で下落幅が縮小した。 統計局の調査では、新築住宅価格が今後6カ月以内に安定または上昇すると予想した回答者が75.9%に達し、前回調査から17.6ポイント上昇した。 また、調査対象となった70都市中、住宅価格が前年比で上昇した都市は3都市で、前月の2都市から増えた。 統計局報道官は会見で、不動産市場は安定しつつあり、住宅価格も底入れの兆しが出ていると指摘。不動産開発業者のキャッシュフローは改善しているとし、不動産市場の今後を楽観していると述べた。 この日発表された1─10月の不動産投資は減少ペースが加速したが、不動産販売は減少ペースが鈍化した。 キャピタル・エコノミクスの中国エコノミスト、Zichun Huang氏は「不動産支援策は住宅市場にいくらかの救済をもたらしているようだ」と述べた。 中国当局は昨年以降、不動産セクターの安定に向け開発業者に資金を注入したり借り入れコストを引き下げるなど支援を強化している。 財政省は13日、住宅購入コストを引き下げ、需要を喚起するため新たな税優遇措置を発表した。