発達障害の人の「就職」に欠かせない実習では、何を見るべきか。特性に合った仕事を見極める
発達障害の人への就労支援が年々、広がりをみせています。 発達障害の人の場合、知識や技術をいかして就職することはできても、人間関係などに悩んで職場になじめず、結果として、退職してしまうことがあります。そのような問題を防ぐために、職場定着までをみすえて支援するケースが増えています。 【前編】発達障害の人の就職には、「ジョブマッチング」が重要! 就労支援にはさまざまな形式がありますが、基本的な内容や流れは共通しています。『発達障害の人の「就労支援」がわかる本』では、就職活動から職場への定着、生活面まで就労支援のしくみと活用の仕方をイラスト図解。就労支援を利用する当事者はもちろん、その当事者を受け入れる企業側にも好評なロングセラー書から、一部を連載形式でご紹介します。 前編に引き続き、「就労支援」の3本柱のひとつ、「就職の支援」について解説。
実習を通じて、現場でも適性をチェックする
相談や活動を続けていると、支援者から職場実習への参加を提案される場合があります。就職先の候補となる企業などで、仕事を経験できるチャンスです。ぜひ参加しましょう。 相談や活動を通じて、本人の課題はある程度わかってきます。しかし、現場に出て実習をしてみると、また違ったことがみえてきます。そこでまた、本人の特徴への理解が深まります。 (1)実習をする 支援機関の紹介で、短期間の職場実習をする。支援機関内でのオフィスワークと違って、実際に現場で仕事をするため、より実践的な経験を積める 実習の例 ・小売店など店舗でのバックヤード作業 ・オフィスでのデータ入力や発送作業など ・各種施設での清掃業務や補助業務など (2)想定通りになることや、想定外のことも出てくる 相談や活動を通じて課題を把握し、対策を考えておくと、それが実習の場でうまくいくこともあるが、課題を把握し対策をとっていても、想定した通りにいかない場合もある。より適切な対策を考えていく (3)結果をもとに相談する 実習でわかったことをふまえて、本人と支援者でまた相談する。その過程で、本人のスキルが整っていく