トヨタ「スープラ」や三菱「アウトランダーPHEV」も参加!マツダが注力する「模擬ジムカーナ」とは何か?
要するに、ユーザーが普段使っているクルマで気軽に参加できる、「模擬ジムカーナ」という形式になっているわけだ。 では、なぜマツダは今、ジムカーナに注力するのだろうか。 ■モータースポーツをより身近で気軽に マツダは、1960年代から国内外でモータースポーツに参加してきた。当初は、本社直轄のいわゆるワークス活動であったが、マツダ販売店などを主体とする運営体系に変わっていったという経緯がある。それが2020年代に入り、大きく変化した。
ワークス活動、またはプライベーター(個人参加)という従来の枠組みではなく、「共に挑む」というスローガンのもと、マツダ本社が統括するマツダ・スピリット・レーシング(MAZDA SPIRIT RACING)へと昇華させたのだ。 マツダ・スピリット・レーシングが掲げているのは、「モータースポーツをより身近で気軽に楽しんでいただけること」。 また、「ジャンルを問わず道具を操ることやスピードスポーツを楽しんでいる方と、その世界に憧れる方や応援される方が繋がること」だと、マツダは説明している。
具体的な活動としては、「スーパー耐久シリーズ」を頂点に、ロードスターのワンメイクレースシリーズ「ロードスター・パーティレース」や、近年愛好家が急増しているeスポーツがある。それぞれの上位成績者が、スーパー耐久を目指すステップアップボードに乗ることもできる。 こうした背景の中で、マツダとしてさらなるグラスルーツ(草の根)活動を試みたのが、ジムカーナなのだ。 マツダ・スピリット・レーシングの活動全体を管轄する、マツダ本社のブランド体験推進本部の関係者は「スポーツドライビングを楽しみたいが、サーキットを走行することが怖いと感じている方が一定数いる」と市場を分析している。
この「怖い」とは、「走行速度域が高いこと」「ほかのクルマと混走すること」「費用がかさむこと」、そして、「接触で大切なクルマを損傷すること」といった、さまざまな不安を意味する。 こうした不安を払拭でき、しっかりとした運営体制のもと、クルマを操る楽しさを思い切り味わえる場を検討してたどり着いた形が、ジムカーナだったというわけだ。 「想定していた以上に、モータースポーツ初心者の方が数多く参加していただき、改めてこの試みの重要さを実感しているところだ」(同関係者)と、すでに成果を実感しているという。