【みやこS回顧】ダート三冠の価値を高めたサンライズジパング 自ら動き3歳馬らしからぬレースぶり
ダート三冠の価値を証明
今年から3歳ダート路線は南関東のクラシックが中央交流になり、ダート三冠なるものが生まれた。自地区の看板馬を決める戦いを消す是非など議論は今後も続くだろう。 【アルゼンチン共和国杯2024 推奨馬】末脚の破壊力はメンバーNo.1! 左回りは複勝率85.7%で絶好の舞台(SPAIA) 一方、そうまでして創設した三冠の価値は出走馬たちの今後にかかっているともいえる。この日早朝、三冠最終戦ジャパンダートクラシックを制したフォーエバーヤングが米国ブリーダーズCクラシックで3着と健闘。とはいえ、同馬はケンタッキーダービー3着であり、すでに別格の雰囲気すらある。 フォーエバーヤングに負けた馬たちがどれほど活躍できるか。ダート三冠初年度世代の価値はここにある。その意味では3着サンライズジパングがみやこSを勝ったのは大きい。レース経験は馬の力を引き出し、成長へと導く。経験なくして成長はない。 いくら出走回数を絞ったとしても、貴重な出走がレベルの低いレースならば、伸びるのは難しいだろう。現5歳世代が強いのは、2022年日本ダービーがハイレベルな戦いだったことが影響しているのではないか。 サンライズジパングの勝利とフォーエバーヤングの好走によって、ジャパンダートクラシックのレベルが一定以上であることは確か。ミッキーファイト、ラムジェット、そして同日に高知の土佐秋月賞を勝った5着シンメデージーの今後に期待しよう。 サンライズジパングは1年前のJBC2歳優駿の2着馬。フォーエバーヤングに敗れたが、その後、ホープフルS3着で芝適性を証明した。 若駒Sは後方から直線一気でぶっこ抜き、皐月賞、ダービーと芝の二冠に進んだ。秋は再びダートに戻り、不来方賞を勝ち、みやこSで重賞2勝目。ダート適性の高さだけではなく、芝で総合力の高さを証明した。器用というより、根本的な実力が高くないと、二刀流は務まらない。
サンライズジパングの課題
レースは外枠ミトノオーが逃げ、隣のアウトレンジが2番手とどちらも理想的な位置取りを確保。一旦、流れが落ち着きそうだったが、サンライズジパングが向正面で早めに押し上げたことで、先行集団が反応。1000m通過後に11.9とペースがあがった。 3コーナー手前が速く、先行勢にとって難しい流れになってしまい、これを自力で動いたサンライズジパングは3歳馬とは思えない。これも経験値の差だろう。ダート三冠創設によって、今後はダート界の世代交代が早まる可能性がありそうだ。 先行して流れに乗るより、早めに動いてロングスパートを仕掛ける形がベストであり、この先もレースの流れを変える存在として、注目を集めるだろう。買う側も急流にする起爆剤になることを忘れないようにしたい。 こういった競馬が多いということは、気性面に課題もありそうで今回は大外枠もプラスだった。内枠に入った際など、どんな挙動になるか。見定める必要もある。