菅首相が記者会見12月25日(全文2)3つの急所を集中的に押さえるべき
東京に近隣県に感染が染み出している
尾身:感染状況、なぜ止まらないのか、それから何をすべきかという点について、せっかく機会をいただいたので私のほうから簡単に。今、北海道と大阪はいち早く集中的な対応を強力にやっていただいたおかげで、北海道ではすでに下方の方向に向かっています。それから大阪も増加のスピードが鈍化しているという、そういうことが少しずつ始まっています。そうした中、東京は皆さんご承知のように感染拡大が継続していることで、その中で近隣県に感染がいわば染み出しているということがあって、その結果東京都1都3県、埼玉、千葉、神奈川の感染例を示す割合が全国の5割程度になっていることで、そうした中で東京を中心にした首都圏の感染を早く下方に転じないと、全国の感染はなかなか止まることは私は難しいと思っています。 年末年始には、年末年始が始まると人の流れは一定程度抑制されると思います。しかし、ここで私が強調させていただきたいのは、年末年始が終わりますと社会経済活動が活発になりまして、感染がまた再び急増する可能性が極めて高いと思います。従って、今この時期に下方に転じさせないと、一度年末年始が終わって感染が急拡大すると、それを下方に修正されるにはそう簡単ではなくて、かなり時間が掛かります。おそらく週単位では無理だと思います。従って、今の時期に感染を下方にするために、できるだけのことをする必要があって、国と自治体、国民、事業者が一体となって集中的に感染の拡大を止める方向に。
対策の急所が分かっている
それでもうちょっとだけ時間をいただきたいんですけども、今やるべきことということに関して、緊急事態宣言を出した4月の時点と今では2つの点で大きな違いがございます。1点目は4月の段階ではいわゆる最低7割、極力8割の接触機会の低減という、極めて広範で強力な対策を行っていました。しかし、今は半年以上の経験のおかげで、経験をしたために、対策のいわば急所というものが分かっています。これが1点目の違いです。 それから2点目の違いは多くの人が、国や、あるいは自治体の要請に応えていただいておりますが、しかしいわば慣れというものがあって、要請に対する協力が今得られにくくなっている状況があります。従って、私、急所と申し上げたものが3つあって、その3つのことを今、集中的にやることが重要だと思います。 1点目は従来われわれ、私どもが申し上げている、感染リスクが高まる5つの場面ということで示したように、先ほど総理からもお話があったように、飲食を介しての感染リスクが高い。そこを抑える。徹底的に抑えるということが1つ目の急所です。それから2つ目の急所はいわゆる飲食以外の場でも少人数、できれば4人以下、それからいつも一緒にいる人と、なるべく家族とか友人とか、いつも一緒にいる人と過ごすこと。それから3番目が国、自治体のリーダーがさらなる市民の協力を得るべく、一体感を持って明確なメッセージと具体的な対策を提示することが必要で、こうした急所を国、自治体、国民、事業者が一体となって行えば、私は今の感染状況を下方に転ずることは可能だと思っています。ちょっと長くなりましたが以上です。 司会:それでは幹事社の方、もう1社、どうぞ。それでは毎日、笈田さん。恐縮ですが、質問者の方は質問内容お話し終わりましたら席にお戻りいただいて結構でございます。