”代役開幕投手候補”東浜が無観客の阪神戦で炎上したソフトバンクは本当に危機的状況で開幕を迎えることになるのか?
プロ野球史上初の無観客でのオープン戦が29日、全国で5試合行われた。雨天中止となった佐賀での西武対横浜DeNA戦を除く10球団が異様な雰囲気の中で戦い、3月20日の開幕戦から逆算して開幕投手に内定している投手、或いは開幕候補の投手の多くが登板した。 公表組ではセ・リーグは菅野(巨人)、西(阪神)、大瀬良(広島)、パ・リーグからは有原(日ハム)、山岡(オリックス)が登板したが、ソフトバンクの開幕投手候補、東浜は、阪神戦に先発、4発を浴び4回を5安打4失点と炎上した。工藤監督は、2月24日に一度、「開幕・千賀」を本人に伝達したことを公表した。だが、右腕の張りを訴えて”白紙”となり、東浜が急遽、代役開幕投手の有力候補として浮上していたが、この日は、”当確”とはいかず、開幕投手は、依然、白紙状態という異常事態となった。
阪神打線に4発被弾で当確ならず
東浜は初回を無失点で立ち上がったが、2回に先頭の新外国人、サンズに高めに浮いた甘いスライダーを左中間へ運ばれた。3回にも先頭の高山に高めに抜けたカットボールを右中間に持っていかれ、4回にはサンズに2本目を許す。打たれたのはカーブだった。さらに大山にも真ん中に入ったカーブをレフトのポール際へ。4失点は、すべてソロアーチ。しかも、すべて変化球だった。 試合後、工藤監督は、その内容に悲観的なコメントを残さなかった。ソフトバンクを主にカバーしている評論家の池田親興氏も、代役開幕候補に東浜を推す。 「打たれた4本のホームランは、すべて変化球。変化球が狙われていたカウントを作ってしまい、そこに甘いコントロールの変化球を投じた。変化球は修正段階にあるが、配球の問題で、ストレートの質自体は悪くなかった。キャンプから見ているが、ここまでは順調で前回のオープン戦の内容も良かった。千賀、高橋礼がいない状況で開幕候補は東浜とバンデンハークしかいない。和田もいい仕上がりだが、ベテランにで開幕から無理をさせて負担をかける必要はないと思う」 サンズに打たれた2本目は、カーブを3球続けての被弾。確かに配球に課題が残る打たれ方だった。ストレートは、142キロから145キロくらいのスピードだったが、新4番のボーアを見逃しの三振にしたアウトコースギリギリに投じたストレートなど目を見張るものがあった。 東浜は昨年6月に肘のクリーニング手術を行い、わずか7試合、2勝2敗の成績に終わっている。2017年の最多勝投手(16勝5敗)。23日のオリックス戦では3回を1安打無失点に抑えるなど肘への不安はない。 本来なら開幕の代役に名前が挙がってくるはずの高橋礼は、左足大腿部の肉離れで戦線を離脱中。経験で言えば、過去、4度の開幕投手を務めたベテラン左腕の和田だろうが、39歳の左腕に1年間、ローテーションの軸となって回る役目がある開幕投手を任せるには負担は大きい。もし東浜が”ダメ”となると”代役の代役”はバンデンハークくらいしかいない。