”代役開幕投手候補”東浜が無観客の阪神戦で炎上したソフトバンクは本当に危機的状況で開幕を迎えることになるのか?
千賀、高橋礼がアウトで、しかも、昨季、抑え、セットアッパーとしてフル回転した甲斐野も、右肘のPRP(多血小板血漿)注射の処置を受けて、序盤戦は絶望。モイネロも、キューバ代表として東京五輪出場をかけた米大陸予選に駆り出されてスタートは不在。ソフトバンクは優勝候補の筆頭に挙げられているが、投手陣の現状は、危機的な状況にある。 さらに打線では、ヤクルトからバレンティンが加わったが、モイネロ同様デスパイネ、グラシアルの2人もキューバの代表チームに合流するため開幕からしばらくは日本にいない。 それでも、池田氏は、ソフトバンク不安説を否定する。 「千賀、高橋礼がいない先発候補をざっと挙げると東浜、バンデンハーク、和田、新外国人のムーア、松本、石川、高橋純と7人いる。甲斐野の離脱は痛いが、2年前に肘の手術を2度した岩嵜が復活してきていて状態がいい。この日も152キロ出していた。千賀、高橋礼の故障は、序盤戦絶望という深刻なものではない。開幕には間に合わないが、そう遅くないタイミングで加わってくる。そうなれば、松本、石川、高橋純のうち一人をブルペンに回すこともできる。ムーアもコントロールに不安のないタイプの左腕なので期待はできると思う。打線も柳田が戻ってきているし、開幕にメンバーは揃わないが、シーズンをトータルで考えると不安はないと思う。今の段階で順位予想をするなら優勝ですよ」 一方、「ソフトバンクに死角アリ」と見ているのが、現在、BCリーグ新潟アルビレックスBCの強化アドバイザー兼総合コーチで評論家活動も行う橋上秀樹氏だ。 「もちろん優勝候補であることは間違いないでしょうが、死角はあります。この時期に、これだけ故障者が出ているのは、継続して勝つことの難しさを如実に表しているのではないですか。やはりチーム全体に勤続疲労のようなものが出てきているんだと思うんです」 千賀、高橋礼、甲斐野以外にも、先発候補の一人、大竹も左前腕筋損傷でリハビリ組で調整中。野手ではベテランの内川が左膝を痛めて出遅れている。 橋上氏は2016年から3年間、西武の総合チーフコーチ、作戦コーチを務め、ソフトバンクの強さを目の当たりにしてきた。レギュラーシーズンでは、4位、2位ときて、2018年には優勝したが、クライマックスシリーズ(CS)では”下剋上”を許した。