「何を緊張するの? 僕は何もしてないのに」関係者を仰天させた大谷翔平の“訴え” 水原元通訳の違法賭博事件をド軍副社長が回想
球界のみならず、世間を震撼させた事件を関係者たちが改めて振り返った。 現地時間12月5日に米全国紙『USA Today』が大谷翔平(ドジャース)と、彼の周辺関係者への独占インタビューを実施。昨年12月に10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)の巨額契約を締結してからの1年をさまざまな視点から語った。 【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン 文字通り“激動”の1年だった。その中でお茶の間をも揺るがせたのは、レギュラーシーズン開幕当時に、大谷の専属通訳兼マネージャーを務めていた水原一平氏による違法賭博スキャンダルだろう。 本人はもちろん、関係者たちにとっても寝耳に水の一大事であった。水原氏は自身が違法なスポーツ賭博で抱えた借金を返済するため、大谷の給与口座を不正に利用。1697万5010ドル(約26億4000万円)を騙し取っていたことが表沙汰となった。 韓国で迎えたパドレスとの開幕シリーズ直後に驚愕の実態が明るみになると、水原氏と蜜月の関係だった大谷にも批判が殺到。「大谷も違法賭博に関与していたのではないか」「水原氏の不正行為を隠そうとしたのではないか」などあらぬ指摘が噴出した。 当時に緊急的に記者会見を開いた大谷が「まあ正直、“ショック”という言葉が正しいとも思わないですし、それ以上うまく言葉では表せないような感覚で一週間ぐらい過ごしてきた」と神妙な面持ちで語った騒動。対処に追われた舞台裏では何が起きていたのか。 ドジャースの副社長で、大谷との契約にも深く携わったロン・ローゼン氏は、次のように回想している。 「あの事件に関しては本当に勉強になった。彼(大谷)は何も悪いことをしていない。誰かが彼にひどいことをしただけだ。イッペイは彼の通訳であるだけでなく、マネージャーでもあったんだ。しかし、そんなことが起こったときでさえ、ショウヘイは舞台裏ですべてを処理して、チームや野球に対する集中力が途切れることはなかった」 大谷の類まれなるメンタリティをクローズアップしたローゼン氏は、当人との会話も告白している。 「ロサンゼルスに帰ってきてトレーナールームに入ったときのことを今でも覚えているよ。ショウヘイがそのことを全世界に話す直前だった。我々は彼に『緊張していないか』と尋ねたんだ。そしたら彼は『なぜ緊張するんですか? 僕は何もしてないのに』と平然と言ったんだよ。彼は誰よりもずっと集中力を保っていた。本当に、本当に私が今までに見たどのアスリートよりも集中力がある」 迎えたレギュラーシーズンで、前人未到の「シーズン54本塁打・59盗塁」の大記録を残し、歴史的なフィーバーを巻き起こした大谷。スキャンダルによる逆風を吹き飛ばせたのは、他でもない本人の胆力によるところが大きく影響したと言えよう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]