写真：LIMO [リーモ]

現在の日本では物価上昇が続いており、生活に大きな影響を及ぼしています。 普段買い物をしていても、同じものが同じ値段で買えなくなり、大きさが小さくなったり数が減ったりするなど、目に見えて変化を感じることも多いでしょう。 ◆【画像を見る】厚生年金と国民年金の金額をチェック 年金のみの収入で生活をしている年金生活者世代の家計は特に、物価高によって生活厳しくなりますが、実際にいまのシニア世代はどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。 年金の受給額には個人差がありますが、調査によると高齢者世帯の約6割が年金以外の収入で生活費を補っていることもわかりました。 今回はいまのシニア世代の年金事情を確認し、この物価上昇を踏まえたうえで老後安心して生活していけるのか、考えていきましょう。 一方で、現シニア世代の中には月額30万円以上の高額受給者もいるようです。年金受給額の一覧表を見ながらその実態に迫っていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

厚生年金「月額30万円以上」の高額受給者はどれくらいいる？

まずは、日本の公的年金制度について見てみましょう。 日本の年金は、国民年金と厚生年金の2階建て構造になっています。自営業者や専業主婦・専業主夫などは国民年金に加入します。 会社員や公務員などは国民年金に上乗せする形で、厚生年金にも加入します。老後に国民年金+厚生年金を受給する仕組み上、国民年金のみを受給する人より年金額が高い傾向にあります。 ●厚生年金の平均受給額 厚生年金はどれくらい給付されるのでしょうか。厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見てみます。 この資料からは厚生年金の平均受給額がわかります。 ※以下の厚生年金の受給額には国民年金部分が含まれます。 ●厚生年金の平均年金月額 　・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 　・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 　・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む ●【厚生年金】受給額ごとの人数（1万円刻み） 　・1万円未満:6万1358人 　・1万円以上～2万円未満:1万5728人 　・2万円以上～3万円未満:5万4921人 　・3万円以上～4万円未満:9万5172人 　・4万円以上～5万円未満:10万2402人 　・5万円以上～6万円未満:15万2773人 　・6万円以上～7万円未満:41万1749人 　・7万円以上～8万円未満:68万7473人 　・8万円以上～9万円未満:92万8511人 　・9万円以上～10万円未満:112万3972人 　・10万円以上～11万円未満:112万7493人 　・11万円以上～12万円未満:103万4254人 　・12万円以上～13万円未満:94万5662人 　・13万円以上～14万円未満:92万5503人 　・14万円以上～15万円未満:95万3156人 　・15万円以上～16万円未満:99万4044人 　・16万円以上～17万円未満:104万730人 　・17万円以上～18万円未満:105万8410人 　・18万円以上～19万円未満:101万554人 　・19万円以上～20万円未満:90万9998人 　・20万円以上～21万円未満:75万9086人 　・21万円以上～22万円未満:56万9206人 　・22万円以上～23万円未満:38万3582人 　・23万円以上～24万円未満:25万3529人 　・24万円以上～25万円未満:16万6281人 　・25万円以上～26万円未満:10万2291人 　・26万円以上～27万円未満:5万9766人 　・27万円以上～28万円未満:3万3463人 　・28万円以上～29万円未満:1万5793人 　・29万円以上～30万円未満:7351人 　・30万円以上～:1万2490人 ※国民年金部分を含む 一番人数が多いのが、10万円以上～11万円未満を受給している人で、112万7493人です。たしかに「ひとりで月額30万円以上」受給している高額受給者も存在しますが、全体の0.1％とほんの一握りであることがわかります。 また、平均月額を大きく下回る世帯もあり、大きな個人差が見られます。