FF(フェデラル・ファンド)金利とはなにか? 全世界が注目するアメリカの「政策金利」(海外)
FF(フェデラル・ファンド)金利とは、銀行間で資金を無担保で融通し合う際に使われる、FRB(米連邦準備理事会)が設定する金利である。 FF金利の変動は、ローン、クレジットカード、銀行預金の金利に影響する。 2024年11月、FRBはFF金利を25bp(ベーシス・ポイント)引き下げ、誘導目標を4.50~4.75%とした。 FRB(米連邦準備制度理事会)の大きな使命は、米国金融制度の健全性維持と市中の通貨量を管理することだ。そのためにFRBは、FF(フェデラル・ファンド)金利と呼ばれる金利を上げ下げする。 FF金利は、FOMC(連邦公開市場委員会)で決定される。FRBが決定するFF金利が、ローンやクレジットカードでの購入にかかる金利、債券や年金といった確定利付き投資商品の利回りの基礎になる。 FF金利は金融機関、銀行、 証券会社の設定するその他の金利にも影響する。 2024年11月7日、FRBはFF金利を25bp(ベーシス・ポイント)引き下げて、新たに誘導目標を4.50~4.75%とした。
FF金利の仕組み
FOMCは、銀行の貸出業務の指針となる金利を設定する場だ。7名のFRB理事と5名の地区連銀総裁で構成されるFOMCは、年に少なくとも8回開催され、その時の経済情勢に基づいてFF金利を決定する。 2024年、FRBは激しいインフレを抑制し景気後退入りを防ぐために、2会合連続でFF金利を引き下げた。 準備預金:FRBは、市中銀行が預金準備率要件を満たせるよう銀行間活動を統治している。各行は十分な手元現金に加え、毎営業日に預金とその他負債の一定割合を準備預金として中央銀行に維持しなければならない。 こうした規制のおかげで、銀行の預金口座保有者は常に資金を引き出せる。準備預金のための資金が足りなくなると、銀行は別の銀行からFF金利(あるいはそれに近い金利)で資金を借り入れる。 翌日物金利:FF金利、すなわち翌日物金利とは、市中銀行が他行に極めて短期間、文字通り一晩資金を貸す時に要求する金利だ。 実効FF金利:実効FF金利とは、1日に取引されたFF金利を取引高で加重平均した中央値だ。2024年11月7日現在、実効FF金利は4.75%である。 FF金利誘導目標:FF金利誘導目標とは、インフレギャップとアウトプットギャップを調整した中立金利とインフレ率全体を勘案して、FRBが決定するレンジである。2024年11月7日現在、FF金利誘導目標は4.50~4.75%である。 その他金利に対する影響:借入コストがどの程度かは、設備投資や消費支出に影響する。FRBは経済全体の基調を維持するためにFF金利を調整する。FF金利の影響を最も受ける金利の1つがプライムレートだ。またそれ以外にも次の金利に影響する。 個人向けローン 住宅ローン クレジットカードの年利(APR) 自動車ローン 譲渡性預金(CD)