「みんなノリノリで演じていた」映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』熊切和嘉監督インタビュー。日向坂46四期生との共演を語る
日向坂46の四期生が全員出演する映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』が10月25日(金)より公開中だ。修学旅行で訪れた東京でバラバラになってしまう女子高生たちを等身大に映し出した本作。今回は、監督を務めた熊切和嘉にインタビューを敢行。メンバーたちとの現場での裏話など、たっぷりと語っていただいた。(取材・文:タナカシカ) 【写真】楽しそうな日向坂46四期生を堪能できる劇中カットはこちら。映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』劇中カット一覧
「このタイミングでなければ撮れなかった青春映画」 熊切監督らしくない企画がもたらした新たな挑戦
―――本作へ参加するきっかけを教えてください。 「以前、『#マンホール』(2023)で一緒に仕事をした松下プロデューサーから、『熊切さんらしくない、びっくりするような企画があるんですが』と、本作の打診を受けました。 元々アイドルの方に興味はなかったのですが、『#マンホール』(2023)でHey! Say! JUMPの中島裕翔さんと一緒に仕事してみて、「アイドルってこんなにプロフェッショナルなのか」と感銘を受けまして。それで、もしまたアイドルの方との仕事の話があればやってみたいなと思っていたんです」 ―――中島さんのどのような姿勢から感じたのでしょうか? 「現場での姿勢はもちろんのこと、役に対する向き合い方も真摯でしたし、公開後のキャンペーンでも全力で取り組む姿が印象的でした。それを見て、『アイドルってこういうものなんだな』と認識が変わったんです。 それで今回の企画も何か自分にとっての新しい挑戦になりそうな予感がしましたし、こんな話を僕にオファーしてくれるのは松下プロデューサーだけですから(笑)、きっとこれを逃したら二度とチャンスは無いぞと思いまして」 それに日本映画において、所謂アイドル映画と呼ばれるものには長い系譜があるんです。たとえば、吉永小百合さんのデビュー当時の作品や、山口百恵さんの『伊豆の踊り子』(1974)などもそうですし、澤井信一郎監督の『Wの悲劇』(1984)や『早春物語』(1985)といった諸作品。 それに、相米慎二監督の初期作品も含めて、僕はこうした作品も昔からすごく好きだったので、このタイミングで自分なりのアイドル映画を撮るというのが、面白そうだなと感じたんです」