結局よくわからない石破「防災省」構想は何を棚上げしているか
既存省庁との役割分担も含め、石破政権が掲げる防災専門省庁の実像はまだ見えてこない[設置準備室の看板掛けを行う石破総理(左)と赤澤経済再生相](首相官邸HPより)
石破茂首相が掲げる「防災省」構想への第一歩となる「防災庁」の設置準備室が11月1日、内閣府に設置された。10月の衆院選で少数与党に転落した政権にとって前途多難な船出となったが、そもそも「防災省」が政権内部で俎上に乗るのは初めてではない。「国難」とも言われる 南海トラフ巨大地震や首都直下地震 などが懸念される中で、防災行政の強化は国民的支持を得られるテーマだが、残念ながら今回も「防災省」が実現する見通しは立っていない。 「今まさに皆さんは、我が国の災害対策が新たなステージに立つ、時代の転換点に立ち会っていただいております」(石破首相) 「もうほとんど政治家人生のかなりの部分をかけてこれ(防災)をやってきた。そういう思いがこもった防災庁であります。国民に顔向けができるように、南海トラフ巨大地震が起きたとき、やれることをやったと本当に言えるかということを全力で追求していただきたい」(防災庁設置準備担当の赤澤亮正経済再生担当相)
本文:3,946文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。