トランプ2.0「速やかに達成する20の約束」に猛チャージする“新型政商”イーロン・マスク
マスク氏(右)は米政府の無駄は2兆ドル規模だと述べている[2024年10月5日、米ペンシルベニア州バトラー](C)AFP=時事
世紀の接戦のはずが、いともあっけない幕切れに。2024年の米大統領選はドナルド・トランプ候補の大勝に終わった。主要な敵をノックアウトした トランプ2.0 は「暴走列車」となるのだろうか。トランプ推しの前面に立ったテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に脚光が当たる。新政権が目指すアメリカは、世界の行く末をも左右する。 暗号資産(仮想通貨)のひとつドージコイン(DOGE Coin)が11月14日、高騰した。ドージコインはコミカルな柴犬のインターネットミーム(「Doge」)をモチーフにして作られた仮想通貨。自身も柴犬好きを公言しているマスク氏は、以前からこの仮想通貨がお気に入りだ。トランプ氏が予算の無駄遣いに大ナタを振るうとして「政府効率化省(Department of Government Efficiency)」設置を発表し、指南役にマスク氏を指名した。そのマスク氏が、政府効率化省の頭文字(DOGE)と柴犬のモチーフを掛け合わせたロゴデザインを大々的に喧伝したから、その祝祭感が仮想通貨市場にもパッと伝わったのだ。 トランプ2.0の政策内容に入る前に、なぜ民主党のカマラ・ハリス候補が大敗したのかをみておかねばなるまい。それこそが、大統領ばかりでなく、議会の上下両院ともに共和党が抑える「トリプル・レッド」を招いた原動力といえるものだからだ。
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滝田洋一