三菱UFJ貸金庫盗、半沢頭取「銀行ビジネスの根幹揺るがす」と謝罪…顧客問い合わせまで見抜けず
三菱UFJ銀行は16日、元行員が支店の貸金庫から時価十数億円相当の現金や貴金属を盗んだ問題で初めて記者会見を開いた。半沢淳一頭取は「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものだと厳粛に受け止めている。皆様に心よりおわび申し上げる」と陳謝した。
金融庁は16日、同行に銀行法に基づく報告徴求命令を出し、原因究明と再発防止を求めた。
元行員は40歳代の女性。練馬支店(旧江古田支店含む)と玉川支店で管理職を務めていた2020年4月から4年半にわたり、2支店の貸金庫を無断で解錠し少なくとも顧客約60人分の資産を盗んだとしている。
女性は問題発覚後の11月14日付で懲戒解雇処分となった。調査に対し、盗んだ金品を「投資などに使った」と話しているという。
同行は25年1月までに、予備鍵を支店から離れた拠点に集約して管理するなどの再発防止策も公表。すでに約20人に対し3億円近くの補償を始めている。半沢頭取は自身を含め役員の処分も検討すると説明した。
警視庁は10月末の問題発覚後、三菱UFJ銀行から相談を受け、窃盗容疑を視野に捜査している。捜査関係者によると、銀行側から関係資料の任意提出を受けており、貸金庫の管理状況などについて確認作業を進めている。