「もう仕事に行かなくていい!」→うれしいはずが逆に不安になる日本人…FIRE実践者が語る「平日昼間に出歩く違和感からの脱却」
もしFIREするのに十分な資産ができたとしても、会社を辞めた後が不安という声が聞かれます。というのも、私たちは小さな頃から「決められた時間に決められた場所へ行って、勉強や仕事をする」という毎日を送ってきているからです。そこで本稿では、実際に1億円を貯めてFIREした寺澤伸洋氏による著書『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)より一部を抜粋し、「会社に行かない生活」についてご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
会社に行かなくていいというのはどんな気持ちですか?
「私は大学を卒業して就職してからずっと同じ会社で働いており、一度も仕事を辞めて会社に行かなくていいという状況になったことがありません。会社に行かなくていいというのはどのような気持ちなのでしょうか。不安になったりしないのでしょうか」 このようにご質問される気持ち、よくわかります。経験上、この「会社に行かなくてもいい」ということに対する解放感と、それと同時に襲ってくる不安感というのは、辞めてみないと本当にわからないものです。
若くして次を決めずに退職したときの不安感
僕自身は、会社に行かなくていい状況になったのは今回のFIREが2回めです。1回めは、次のことを何も決めずに新卒で入った会社を10か月で辞めたときでした。 そのときの僕は、まだ23歳。辞めて1か月めは解放感でいっぱいだったのですが、2か月めあたりからは「まわりの友人はみんな仕事をバリバリやっているのに、自分だけが朝起きてもいく場所がなく、社会から取り残されたような気持ち」になり、非常に苦しかったのを覚えています。 さらにお金もどんどん減っていき、不安に拍車がかかりました。当時はいきおいで会社を辞めてしまいましたが、辞めるまで、まさか自分がこんな気持ちになるなんて想像もしていませんでした。 ご質問のとおり、きっと何のプランもないまま会社を辞めた場合は、当時の僕と同じようにかなり不安になると思います。ただ、僕もあのころは若すぎたので、「会社で働かない自分のような人間はダメだ」という常識にとらわれすぎていた一面もあったかとは思います。