「もう仕事に行かなくていい!」→うれしいはずが逆に不安になる日本人…FIRE実践者が語る「平日昼間に出歩く違和感からの脱却」
FIRE後のとまどい…鎧を脱ぐリハビリが必要
長く会社員をしていたこともあり、退職後に特にとまどったのが、平日の日中に外を出歩くことです。 僕は今までずっと内勤でオフィスにいる生活をしていたので、平日の日中に新宿や銀座の街を歩いている自分に大きな違和感と、何とも言えない罪悪感を抱いてしまったことを思い出します。 刷り込みというのは本当に恐ろしいもので、頭では「もう会社に行かなくていい」とわかっているはずなのに、潜在意識が「えっ、本当に平日の昼間に外を出歩いてもいいの?」と語りかけてきます。 この状態が退職後1~2か月は続きましたから、本当の意味で会社勤めから解放されたのは3か月くらい経ってからでしたね。 思い起こせば、我々は就職してからどころか、小学校に入学して以来、必ず「決められた時間に決められた場所へ行って、勉強もしくは仕事をする」という生活を送ってきているはずです。 ですから、「日中は必ずどこかで頑張っていなければならない」という感覚が染みついているのでしょう。 僕自身も学生時代から毎日、晴れの日も雨の日も、体調のいい日も悪い日も、とにかく学校や会社に遅刻しないように意識し、日中は頑張って勉強や仕事をする生活をし続けてきました。 特に会社員になってからは、朝の6時台に起き、満員電車に駆け込み、メールの対応に追われ、会議に参加し、合間を縫って資料を作り、夜になったら帰る……といったことをずっとくり返してきたわけです。 そんな生活から一気に「どこにも行かなくていい生活」になったら、それは心のどこかで不安になったりとまどったりして当たり前。心から自由を得るためには、何十年分もの思い込みの鎧を脱ぎ捨てるためのリハビリが必要だと思います。 僕自身もその鎧を脱ぐのに少々時間がかかりましたが、その後は「人生のすべての時間が自分のための時間である」という感覚を持つことができました。まだ若いうちにこの感覚を持てたことは、自分の人生にとって非常に有意義だったと感じます。 寺澤伸洋 作家/講演家 ※本記事は『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
寺澤 伸洋