イチゴと棚田で千早赤阪村を元気に 府と村が合同プロジェクト
大阪府下唯一の村「千早赤阪村」
イチゴと棚田で千早赤阪村を元気に 府と村が合同プロジェクト 撮影:岡村雅之
大阪府南東部にある府下唯一の村「千早赤阪村」の農業を振興するため、府と同村が合同で「千早赤阪村農の活性化プロジェクト」を展開することが決まり、このほど村内でプロジェクト発表会が開かれた。新たな農業に取り組む新規就農者や民間参入企業を村内に呼び込み、官・民・農の連携によるイチゴ栽培や棚田の魅力で村を元気にするプロジェクトだ。 [拡大写真]大阪農業の可能性引き出せ!若手農家が200万円かけ白熱のプレゼン合戦
新規就農者向け「いちごアカデミー」開設へ
発表会で松本昌親村長があいさつし、「棚田などの村の特色を最大限に生かして農業振興を目指すプロジェクトを、大阪府と共同で始めることになった」と報告。 「プロジェクトを成功させ、住民の皆さんににこにこ笑いながらよかったと言っていただける地域社会を実現したい」と抱負を語った。竹柴清二府環境農林水産部長が「地域活性化のモデル事業として他の市町村の模範となるよう、府としても精一杯取り組みたい」と、手厚いサポートを約束した。 プロジェクトの項目は3つ。第1に「南河内いちごの楽園プロジェクト」。幅広い消費者に好まれるイチゴをテーマに、新たな産地形成や新規参入者の確保、観光農園化などを推進し、地域の活性化を図る。年内をめどに実践型農業塾「いちごアカデミー」開設を目指すほか、多彩な商品戦略や古民家を活用したこだわりスイーツ店の誘致などに取り組む。 第2に「企業の農業参入誘致プロジェクト」。3~5社程度の民間企業の農業参入を促す。年度内には候補地を選定する。第3に「棚田での府民活動促進プロジェクト」。 村の原風景ともいえる棚田を府民参加で保全しながら、交流拠点とする活動に乗り出す。棚田オーナー制度や、クラウド・ファンディングによる保全活動資金の調達、ウェブ上でのドローン撮影によるPR活動などが検討されている。 プロジェクトの期限は5年間。府では公・民・農の連携による地域の特色を生かした農業振興のモデル事業と位置付ける。プロジェクトを側面から支援する府民や民間企業などの応援団を広く募集。民間の協力が得られれば、いちごの楽園をアピールできるシンボルタワーやゲートを設置したいという。