友人が「博士号」を取得して研究職の仕事をしていますが年収は300万円だそうです。大学院まで進学したのに、なぜこの収入なのでしょうか?
博士課程へ進学する理由
前述の調査によると、博士課程に進学する学生の進学理由でもっとも多かった回答は「研究することに興味・関心があった(67.7%)」でした。 2位は「自分自身の能力や技能を高めることに関心があった(58.0%)」、3位は「研究したい課題や問題意識があった(53.9%)」、4位は「大学教員や研究者になるために必須だった(38.5%)」です。 1~4位までは、研究意欲や特定の職への就職意欲に関する動機がランクインしています。一方、収入にひもづく回答としては「博士号を取れば、良い仕事や良い収入が期待できるから」という回答が24.6%で5位でした。 約4人に1人は、博士号の修得が所得のアドバンテージに結びつくと考えていたようです。
博士課程への課題
データが示すように、博士課程を修了して就職しても、必ずしも高給取りになれるとは限りません。安定した雇用や収入が得られない場合、博士課程へ挑戦する学生の数が下がっていってしまう可能性もあります。 国内の博士課程入学者数は、2003年度には1万8232人もいましたが、2019年度には1万4976人しかいませんでした。 減少理由として、「博士課程在籍中の経済支援不足」「修了者のキャリアパスの不透明さ」「不安定な雇用環境」などが挙げられています。
博士号取得者でも高所得者とは限らない
博士号を取得しても年収が高いとは限りません。むしろボリュームゾーンは年収300~600万円であり、日本の平均給与所得と同等、もしくはそれ以下である可能性があります。 経済的なアドバンテージを求めて博士課程に進むとしても、実際に安定した収入に結びつくかは不透明なようです。 出典 文部科学省 科学技術・学術政策研究所ライブラリ 博士人材追跡調査-第4次報告書- 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部