国民の生活に「情報が勝手に入ってくる」 JFA宮本会長が目指す日本サッカー未来像【独占インタビュー】
宮本会長とともに考える日本サッカーの「未来」
来年、10年後、100年後……日本サッカーが辿る未来図とは――。トップをひた走る日本サッカー協会(JFA)宮本恒靖会長が「今」と「これから」を語る。新たなコンセプト「日本サッカーの未来を考える」を据える「FOOTBALL ZONE」が独占インタビューで会長の考えに迫った。 【一覧リスト】森保ジャパンが「世界13位」 “ドイツ超え”最新ランキング「言葉を失った」 森保一監督率いる日本代表が躍進を遂げるなど日本サッカーはレベル向上を図る一方で、育成世代の環境整備、Jリーグと女子サッカーの発展、ビジネス化……課題は山積み。Jリーグ創設から30年超、進化をその目で見てきた宮本会長。過去、現在、未来に視点を向け、サッカーを愛するすべての人々とともに設計図を描く。第1回は「宮本会長が提示する未来像」について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞) ◇ ◇ ◇ 2024年3月、日本サッカー界の歴史が動いた。かつて2大会連続でワールドカップ(W杯)の舞台に立ち、主将マークを巻いた宮本会長の誕生。元日本代表選手、戦後最年少の47歳、日本サッカー界を背負うJFA会長が思い描く未来は、ただ壮大なだけではない。リアルで、絶対に解決しなければいけない問題。日本サッカーを発展させるためには必要なことだった。 「本当にざっくりな言い方になってしまうけれど、昔から言っているようにサッカーをもっともっと大きな存在にしていきたい」 日々日本サッカーと向き合う宮本会長。日常を過ごすなかで目線を合わせて考える。日本の国民にとってサッカーはどのような存在か。だからこそ口に出した「大きな存在」。それこそ「もっとサッカーが勝手に入ってくる状態」だ。 「今はサッカーの話題は能動的に取りに行かないといけない。例えば、ロンドンなら日常的にプレミアの情報が流れている。取りに行った時にちゃんとした情報があるっていうのも大事だけど、そういう(勝手に入ってくる)状態を作るには今の存在よりもっともっと大きいものにしていかなければいけない。うっすらでもいいから日常的な話題に上る、とかですね」 現在サッカーに携わっている人だけではない、いかに人々の日常に溶け込むか。その光景を目の当たりにしたのが例えば昨年11月の敵地インドネシア戦だった。ジャカルタで行われた日本代表の練習には悪天候にもかかわらず、日々報道陣が100人ほど駆けつけた。